美容室で働いていると、フケやかゆみ、白髪、抜け毛などを気にしてたり「合成成分の多く入ったシャンプーは良くない」なんて聞いて、石けんでシャンプーする人もいます。
「サラサラになる~」という人もいれば、髪がきしんだりごわついてやめてしまう人も多いです。
同じ美容師の友達から「固形石鹸で髪の毛洗うのは良いよ」と勧められ試したことがありますが、私はダメでした(;´∀`)
ぎしぎし、ごわごわ、パサパサ。クエン酸リンスもしていましたが、面倒でやめちゃった(。-∀-)
じゃぁ、どんな人が合うのか、どんな人は合わないのか。解説したいと思います。参考になれば幸いです(´▽`*)
そもそもシャンプーと石けんってどう違う?
シャンプーも石けんも汚れを落とす役割がありますが、まず「どう違うの?」という話から。
「シャンプー」「石けん」と一言で言っても色々ありますが、基本的な違いについてです。
液体と固体の差
シャンプーは液体で、基本的に6~8割程度は水です。その他に泡立ちが良くなるような界面活性剤、髪の毛がパサつかないように保湿成分、香料、防腐剤などが入っています。
半分以上が水でできているシャンプーは、雑菌の繁殖や腐りにくくするために防腐剤が入っていることがほとんどです。
例えば、肌に負担がないような界面活性剤などは泡立ちが良くないことが多いので、界面活性剤を掛け合わせて作られていたりします。
石けんは固形で、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウムを使い製造されているもの。「石けん素地」や「カリ石けん素地」と書かれていることもあります。石鹼シャンプーも主に脂肪酸カリウムで作られています。
固形の石けんは水分が含まれていないので、防腐剤を入れる必要がないんですね。最近は固形石鹸も様々なんですが、色々な成分を入れなくても汚れが落ちるというのがポイントなのかな?
石鹼シャンプーはアルカリ性。アルカリ性では人に害があるような菌が繁殖しにくく、防腐剤を入れる必要がないそうです。
水を含むと性質が変わったり㏗が下がるようで、防腐剤が入っている石鹼シャンプーもあるようです。物によるんですね。
弱アルカリ性か弱酸性か
石けんは弱アルカリ性です。
人間の肌は弱酸性に保たれていますが、弱アルカリ性の石けんを使うと汚れが落ちるのは、アルカリ性成分が肌のタンパク質(角質)を分解して柔らかくし落としやすくするためです。
これは石鹼シャンプーも同じで、実は洗浄力は強いです。
そう。アルカリ性って洗浄力強いんですよ。「タンパク質を分解する働き」ということでは、洗濯洗剤はアルカリ性がほとんどです。食器洗剤の場合は皮膚に触れる洗剤なので中性や弱酸性で、界面活性剤の量が多く入ってます。
石鹼シャンプー以外のシャンプーはどうなの?と言う話ですが、ものによってかなり違います。
ラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムなどは「高級アルコール系シャンプー」と言われ、洗浄力が強く懸念されている傾向が強く、最近はアミノ酸シャンプーのような弱酸性のシャンプーが流行っています。
※高級アルコールシャンプーの「高級」は界面活性剤の分子の大きさのことで、価値が高いと言う意味ではありません。
固形石鹸の洗髪ではげる?抜ける?
薄毛で悩んでいる人で石けんで洗う人もいるのですが、「固形石鹸の方がはげるって聞いて」と相談されることがあります。
この場合ちょっと難しくて、薄くなる人はなるし、ならない人はならないんです(。-∀-)
「遺伝」と言ってしまうと元も子もなくなっちゃいますね(。-∀-)
シャンプーと石けんとどっちが良いか?と言うのは個人差も大きいのですが、石けんを使いだしてからあからさまに抜け毛が増えた場合は止めた方が良いですよね。
先ほど、「石けんは弱アルカリ性」と言いましたが、弱アルカリ性は弱酸性に比べて洗浄力が高いですね。
石油系界面活性剤と言われている「ラウリル硫酸ナトリウム」や「ラウレス硫酸ナトリウム」などは、洗浄力が強いので毎日のシャンプーで頭皮に負担がかかる。なんて言われていますよね。
※ちなみに、最近は石油が使われていることはほとんどありません。「石油界面活性剤」と言われていますが植物由来の成分が使われている事がほとんどです。
うん。じゃぁ、「ラウリル硫酸ナトリウム」や「ラウレス硫酸ナトリウム」などの洗浄力はダメで、石けんの洗浄力は良いのか?っていう話なんですよ。
洗浄力の強い石けんで起こるのは、皮脂を取り過ぎてしまう事。「頭皮の乾燥」ですね。
乾燥している肌は、外からの刺激を守るバリアが整っていません。角質の層が乱れている状態なんですね。そういう状態だと抜けやすくもなりますし、フケやかゆみの原因にもなります。
もともと脂性か乾燥肌か
「高級アルコールシャンプーは刺激が強いのでアミノ酸系シャンプーを使いましょう」などと言う人もいますが、人によって合う合わないがあります。
「ラウリル硫酸ナトリウム」や「ラウレス硫酸ナトリウム」などを使っている高級アルコールシャンプーは洗浄力が強いので、皮脂が多い人や毎日洗わない人には割と向いています。
アミノ酸系シャンプーだって、100人が使って100人全員に合うという事はないんです。皮脂が多い人が使うとニキビができたりすることもあります。
石けんの種類にもよります
もともと乾燥しやすい人でも、石けんにしたら調子が良い。という人もいます。合う合わないというより、これ、石けんの違いだったりもします。
石けんの成分に、「グリセリン」や「保湿成分」が入っているものが良いと思います。
石けんで髪を洗う人に有名なのは「アレッポの石鹼」や「マルセイユ石鹼」でしょうか。オリーブや月桂樹などのオイルが入っていて、乾燥しにくいそう。
反対にベタベタする人もいるみたいですが・・・。
私の場合は多分、石けんカスです。髪が長いので石けんカスが残りやすかったんだと思います。
石けんカスが頭皮や髪に残る
髪の毛や頭皮につく石けんカスとは、石けんが水道水のマグネシウムやカルシウムとくっついて反応し溶けなくなる脂肪酸のことです。
水に溶けない性質なので落ちにくいんですね。
抜け毛になる原因として「石けんカスが頭皮に残りやすく毛穴が詰まる」というもの。そのせいで薄くなる?
う~ん。もしかしたら毛穴に詰まるかもしれないですね。
私が石けんで髪を洗って気になったのは、髪の毛についてしまう石けんカス。白い何かが髪の毛の上でキラキラと。自分では頭皮はそんなに気にならなかったんです。
この石けんカスが髪に残ると、髪の毛がきしんだりごわつきます。そのせいで引っ張られて抜けることはあると思いますよ。
石けんで髪の毛を洗う時は、アルカリを中和させる酸リンス(クエン酸やお酢を薄めた水)も必要です。
石けんで髪を洗うときしんだりごわつくのは
石けんで髪を洗うと、ぎしぎしときしんだりごわつくという人も多いです。先ほどから言っていますが、私はそうでした(;´∀`)
石けんは弱アルカリ性です。で、アルカリ性と言うのはパーマ液やヘアダイのカラー剤と同じです。
パーマやヘアダイなどのカラーの場合は、アルカリでキューティクルを開いて薬剤を入れるという目的です。最後はバッファー剤や酸リンスで中和させます。
この髪のキューティクルが開いた状態がきしみの原因だったりします。
人間って優秀で、肌は弱酸性なのにアルカリの石けんで洗っても弱酸性に戻るんですよ。髪の毛も同じ。
なんですが、傷んだりしていると戻りにくいんです。
でね、もう一つは先ほども出てきました「石けんカス」です。
石けんで髪を洗った後は弱酸性に傾けることも必要ですね。
・石鹸は弱アルカリ性なのでキューティクルが開きやすい
・石けんカスが残りやすい
石鹸で髪を洗うとベタベタするのは
石けんで髪を洗うときしんだりごわつくのとは別に、ベタベタする人もいます。
石っけんの保湿成分が多いとべたつくことがあります。また、きしみやごわつきと一緒で、石けんカスでベタベタになる人もいます。
私の場合は、ごわごわして、さらにベタつきもありました。
石けんの種類でかなり違うのかなぁ?とは思います。油分の多い石けんはべたつきやすいのかな?
パーマやカラーをしている人には不向き
石けんがキューティクルを開くという事は、髪の内部に定着している薬剤が流れやすいという事。
もしかしたら、洗浄力が強いのも関係しているかもしれません。
私に石けんで髪を洗うのを勧めてくれた友人はカラーをしていましたが、その子がしていたのはヘナカラー。
ヘナやヘアマニキュアをしている人は相性が良いのかもしれません。
というのも、ヘナやヘアマニキュアは髪の周りをコーティングするので、キューティクルが開きにくいのかも。
石けんで髪を洗う時は酸リンスも
石けんだけなのに問題ない人もいるんですが、髪の毛が長い人や細い人はトラブルが多いと思います。
さっきほどから言っています「酸リンス」。
アルカリに傾いた髪の毛を酸性に戻す役割と、石けんカスを落としやすくするという目的があります。
中和させることで石けんカスが溶けやすい性質に変わり落としやすくなるんですね。
ポッカレモンやお酢でもOKですよ(´▽`*)クエン酸は掃除にも洗濯にも使えるからあると便利かも。
私の場合は、「水500mlに対して1さじ」なんて聞いて試していましたが、あまりクエン酸が多くても良くないのかなと思いました。
洗面器にお湯を張って2~3さじ。という感じで使ってました。
石けんで髪を洗った後はきしみやすいので、ガシガシとかすと抜け毛の原因になるので注意!
表面から酸リンスをつけていって、徐々にほぐしながらが良いと思います。
うん。で、この作業が結構面倒くさいです。時間がかかるんです。そんなわけで私はやめてしまいました(;´∀`)
まとめ
石鹸で髪の毛を洗うこと自体は悪いことだとは思いません。ただ、きしんだりゴワつくことがあるので注意したいところですね。
石鹸の種類によっても違うので、いくつか試してみるのも良いと思いますよ(´▽`)
・皮脂が多い人や毎日洗いじゃない人は割りと向いている
・ヘアマニキュアやヘナで染めている人には向いてるかも
・乾燥しやすい人は保湿成分の含まれた石けんを
・パーマやヘアダイをしている人は不向き
・酸リンスはお忘れなく