美容師を辞める理由として決して少なくない人間関係。
その中でも、先輩や上司がむかつく、うざい、怖い、理不尽などなど、目上の人に対してストレスを感じることが多いようです。
年齢とともに立場が変わりそういった悩みも少なくなっていくとは思いますが、アシスタントやスタイリストになりたて、違う場所に移動・就職したなどの美容師にとって人間関係が良くないというのは厳しい状況ですよね。
私が美容師として実際体験した話
これは私が、アシスタントやスタイリストになってから、個人店、業務委託などで実際に体験した話です。
人間関係が原因で辞めたこともありますが、辞めなかったこともあります。
今思うと・・・。というところもあります。
挨拶してくれない
これは私が業務委託のお店に入ってすぐのことでした。
業務委託といっても色々だと思いますが、私が働いていた業務委託のお店はかなり自由で、出勤日や出勤時間も個人次第でした。
ちなみに、そのお店は今は厳しくなっていて、時間も出勤日数も決められています。
当時、入りたてで誰がいるか分からない状況の中で色々な人に「今度は入った○○です」と挨拶したりしていましたが、一人だけ完全無視されてしまいました。
その人は、挨拶するたびにことらをチラッと見るだけでした。そして、他の従業員にはニコニコ話しかけていました。
はじめは「これは一体?」と思っていて、「やりずらいなぁ」とも感じていました。
良かったのは、その人はあまり出勤していなかったことです。会う日も多くなかったのでまだ良かった。それと、その人以外の人は優しかったことです。
でね、会う日が少なかったというのもあって、1年くらいまともに話したことがありませんでした。
私の後に入ってくる人にもそうだったみたいで、1年くらいして新しい人が入ってきてはじめて話しかけられました。
もしかして?と思ったんですが、1年くらいして分かったのは、その人はめちゃくちゃ人見知りだったという事です。
人見知りでなんですが、自分を強く見せようと、ナメられないようにしようと、入ってきた人に対して威嚇していたんだと思います。
・・・威嚇っていうか、バリア張ってる状態。
初めて働いたお店でもそういう人はいて、今思うとそういう人って、不器用なんだろうなぁって思います。
私の場合はその人に会う日も多くなかったので良かったんですが、これが社員で毎日顔を合わせないといけないと思ったら苦痛だったよなぁって思うんです。
自分がアシスタントだったら絶対に避けてるし、一緒に仕事したくないなぁって思ってしまう。
で、多分そういう場合が多いと思うんですが、そういう場合はどうしたら良いんだよってなるじゃないですか。
これはあくまでも私がこう思うこと。
・周りのスタッフの多くが挨拶してくれない場合、その店はやばいから辞める
・一人だけ挨拶してくれないし無視してくる場合、その人を見極めるか、その人が辞めるのを待つ。
一人じゃなくてその他にも挨拶なかったり無視されたりする場合、その店はそれが当たり前になっていることがあります。
「朱に交われば赤くなる」というように、他の人にも影響して「あの子無視しよう」みたいなお店であれば辞めた方がイイと思います。
そういうお店は多分入れ替わりも多いと思う。
で、一人だけなんだけど、それがむかついたりイライラしてしまうこともあると思いますが、その一人のために辞めるのは勿体なくないですか?
その人が辞めたら不思議と心が安らぐこともある。
恐ろしい話、毎晩「あいつ辞めろ~」って思ってたこともありました(。-∀-)
何か怖っ!!
見極めるってよくわからないかもしれませんが、「なんでこの人私にだけなんだろう」って、観察するのも有りなんじゃないかと。
実は、味方につけたらものすごく強いとかね。
そこで、私は、この人とどうやって話をしたら良いかな。って考えたこともありました。
魔法使いとか僧侶とかを味方につける感じだよ。
下手に出るってわけじゃないんですが、「あなたに害はありません」的な事とか言ったり、色々考えてたかな。
それはそれでストレスでしたが・・・。
いまだに得意な方ではありませんが、そういうことを経験して「世渡り」的なことも身に着けたかな。と思ってます。
都合が悪いと人任せ
これはよくある。
アシスタントのときは「あとはよろしくね」的な感じで任せられる。
個人店では、店主が苦手で扱いにくいであろう人は回してくる。
で、個人店では「自分が得意じゃない人を回してくるのってどうなんですか?」って聞いたこともあります。
でも、アシスタントで働いているときはそんなこと言えなかったし、自分が施術できる喜びの方が大きかったかな。
私の場合、上司っていうより1個とか2個上の先輩に多かったかも。
個人店で働いていた時の店主は後輩を育てたことがなかった人でしたし、そのことは分かってました。色々な店舗を回ったことのある私に任せてくれることも多かった。その中で、店主の不得意な人の対処も回ってきたって感じでした。
この時にはすでにスタイリストになっていたので、もしかしたらこの人こういうのが苦手なんだろうなぁ。というのも分かりようにもなっていました。
で、1年目や2年目の先輩も「自分が苦手な事」を下に回すって人がけっこういました。
1年目や2年目って、スタイリストじゃなくてアシスタントの先輩に言われちゃんですよね。
「お前スタイリストじゃないじゃん」って思うこともあるし、「お前が言われたんだからお前がやれよ」って思うこともありました。
結局、苦手な事って接客にしても掃除やらにしてもやりたくないんですよ。それはみんな一緒だと思いますが、それをどう乗り越えるかって言うのもスタイリストになってから変わると思います。
でね、「あ、この人コレ苦手なのかも」って思うのも自分がスタイリストになってからだったりするんですよね。
アシスタントの時代には分からなくて、押し付けられた感だけ感じてしまうんですよねぇ~。
仕事をさせてくれない
これはアシスタントの時です。
私が働いていたところは2人1組になるというのではなく、自分ができる施術を取りに行くというかんじでした。
あるスタイリストは、私が仕事を取りに行っても全くやらせてくれませんでした。
スタイリストによっては「今回は○○に頼むから今回はごめんね」と言ってくれることもありましたが、その人の場合は全く仕事をさせてくれなかったんです。
自分の仕事を理解してくれているアシスタントに頼む方が楽だしスムーズにいくのも分かりますが、それってどうなのよ。って思ってしまいます。
結局、その店舗にいたときは1回か2回ほどしかそのスタイリストと仕事をしたことはありませんでした。
飲む機会もあったりしたのでそれとなく話を聞いていましたが、どうやら女の子のアシスタントを使うのが苦手だったみたいです。
その人が本当はどう思ってるかって言うのが、仕事場だけだと分かりずらいこともあります。
一緒にご飯食べに行くとか飲みに行くとかはしなくてもいいけど、その人を知ると変わるかもしれないですよね。
噂話が過ぎる
もうこれはあるある。
噂話ならまだいいですが、悪口ばっかり言う人って聞いてる方も疲れちゃいますよね。
有難いことに、初めて働いたお店ではあまり悪口を言うスタッフはいませんでした。
業務委託の時は多かった。
業務委託って色々なお店からスタッフが入ってくるから、技術とかやり方とか違うんですよ。
お客さんのことというよりも、スタッフ間の悪口はけっこうありました。板ばさみはきつかった。
他の業務委託のお店では、反対に全く無関心でした。
挨拶とか世間話とかはあるものの、スタッフ同士で無関心。だから、みんなで仲良くっていう感じもありませんでした。
お店によるかもしれないし、個人差はありますよね。
噂好き、悪口好きな人は、聞くと「この人聞いてくれる」ってなるから、聞かないっていうのが一番良いです。そのうち話しかけてこなくなります。
センスがないと言ってくる
センスって言っても色々なんですが、私はお昼のチョイスのセンスがないと言われたことがあります。
初めて入ったお店は、アシスタント1年目がみんなのお昼ご飯を買いに行くというシステムだったんです。
それはそれで外に出らるし気分転換にもなってよかったんですが、厳しい上司がいました。
基本的にみんな「ありがとう」って言ってくれるんですが、毎回「今日のはセンスないね」「今日は良かったよ」と言ってくる上司がいたんです。
毎回疲れるぅ~。自分で行ってよぉ~ってなってました。
1年目で他にもやらないといけないことがたくさんあったから、そこまで気にしてなかったというのが本音ですが、あれはちょっと嫌だったな。
個人店では外見のセンスのことを言われたこともあります。
その個人店では、「店主と価値観合わないわ」と思ってすぐ辞めました。
私は少人数より大勢で働いた方が合ってるなって言うのは分かりました。
人間関係どうすりゃいいの?
小さいことの積み重ねや心に引っかかる部分で嫌になってしまいますよね。
人間だから合う合わないはあります。合わせようとしてもストレスになってしまうこともあります。
これは私の意見です。
逃げ場を作る
最初に働いていたお店では人数が多かったので、ある一人が嫌でも逃げ場があって良かったって思います。
相談できる上司がいると良いですよね。
美容師はお店にいる時間も長いので、仕事仕事になってしまいがちですよね。
美容師じゃない友人と話したり、全くかかわりのない場所に行くというのも良いんじゃないかと思います。
「嫌だな」って思ってるときってどうしても考えが狭くなっちゃうんですよ。他の世界を見て他の人の意見を聞いて、視野を広げるというのも大切だと思います。
いや、でもねぇ、これは働き出してから数年かかったかな。最初は一杯一杯だったから、そんな風に思う余裕もなかったって言うのが本音です。
数年して、色々な人と話すようになって、「あ、自分のいる世界って小さいんだな」って思ったら悩まなくなりました。
妄想する・俯瞰で見る
例えば、ちょっとしたことで嫌味を言われたり、陰で自分の事を言われてるんじゃないかと思ったり、色々、本当に色々、嫌なことって多いです。
うん。で、美容師じゃない世界でも多いです。
言い方がきつかったり、何度も同じことを言われたり、男女問わずネチネチしている人はしてるし、「私、もしかしてはけ口にされてる?」と思うこともありました。
怒られるとか注意されるとか以外であれば『気にしない』って言うのが一番なんですが、そうできないから辛かったりしますよね。
そういう時はさ、妄想するんですよ。
マジ、これは自分でも性格悪いな。と思ってますが、「フフフ( `ー´)私はデスノート持ってるんだからな!」とかね。こっそり心の中で思うわけですよ。
妄想族の私からしたら、妄想って、良いと思うんだよなぁ。
あとは、その場を俯瞰で見るって言うのも結構大切かと思います。客観視と言うのかな。
イライラしたりムカついたり、感情が偏ってしまうと気持ちがネガティブになってしまうと思うんですが、そういう時に俯瞰で見れたり客観視できると得なのかと思います。
例えば、「あぁ、怒ってるなぁ」と。怒られている中心にいると参っちゃうんですが、俯瞰で見ることで何で怒ってるかが分かるようになります。
それこそ、上から「ちゃんと言って」と、言いたくないけど言わなくちゃいけない立場の人もいるかもしれないし。
まぁ、でも、これも、私の場合、1、2年目では分かってなかったです。仕事内容が分かってきてから、「あ、あの時言っていたのはこのことだったんだな」と分かることもありました。
「俯瞰力」とか「客観力」と言うそうですが、これ、店舗の異動や転職したときに役立つので、身につけておくと便利ですよ。
転職or異動
人数が少なかったり他の店舗がなかったり、逃げ場が作れないこともあるかもしれません。
もし、店舗数のある会社であれば移動して見るのも手です。
私は上司から「勉強してきなさい」と何店舗か周りましたが、場所や年齢層も違うので店舗で雰囲気は全然違います。
やっぱりね、年齢が上のスタイリストが多い店舗は雰囲気も落ち着いてる分、そこで働いているアシスタントも落ち着いてたと思います。
見せによりますけどね(。-∀-)
それでも我慢できないこともある。他の美容室に転職するのは悪いことじゃありません。自分に合った場所と言うのはあります。
まとめ
今となっては言えてしまうこともありますが、アシスタント時代やスタイリストになりたての時は言えないことも多かったです。
「自分も良くなかったかなぁ」と思うところもあります。でも、当時は分からなかった。
私は人数が多くて広い美容室が逃げ場があって楽だったって思いますが、そうじゃない人もいると思います。
アットホームなところが良いという人もいると思います。
人間関係を作るのが苦手だからと、個人店を開く美容師もけっこういます。
自分に合ってる場所が見つかると良いんですが、何店舗も転職して辞めるのも疲れます。
一度お客さんとして行って見るのも手ですよ。内部は見えないにしても、雰囲気とか人の感じとか分かるので。