たまにお客様に「白髪を抜いたらダメなの?」「白髪を切るとピンピン目立つ」という相談を受けることがあります。
白髪が数本で染めるまではないときって抜いた方が良いのか切った方が良いのか、もしくは染めてしまうのが正解なのか悩む方もいらっしゃいます。
「抜いちゃって」「切ってもらって良い?」と言われることもありますが、抜かない方が良い場合、切らない方が良い場合もあります。
白髪の処置って難しいですよね。基本的には抜かない方が良いのですが、じゃあ切れば良いのか、染めれば良いのか。適切な処置の仕方を解説します。
白髪を抜くと
基本的に白髪は抜かない方が良いです。それは、頭皮を傷めてしまうからです。
よく「白髪を抜くとはげる」「白髪を抜くとしたがが増える」と言われますが、その辺も含めてお話しますね。
白髪を抜くとはげる?
一般的に日本人の髪の毛の平均は、『約10万本』と言われています。
1本や2本。10本や20本。抜いたところではげるという事はありません。また、抜いたからと言って、もう生えてこないと言うこともありません。
ただ、髪の毛を抜くと髪の毛を支えている「毛乳頭」という場所が損傷して生えてこなくなることもあるとも聞きます。
あと、少なからず皮膚にも影響します。白髪を抜くというのは、頭皮にとってものすごくストレスになるんですよ。
ストレスって活性酸素を発生させるんです。
・・・活性酸素って白髪の原因だとも言われてるんですよ。
もう一つ気を付けたい事はあります。
「白髪を抜くのが楽しくて抜き過ぎちゃう人!!」
白髪を抜くのが楽しいって理由じゃなくても、抜くのが習慣になっていると良くないですよね。
後ろは見えないからと言うのもありますが、白髪って、なぜか近い場所に生えるでしょ?例えば生え際とか分け目とかこめかみとか。
もう何年も数本の白髪っていうなら良いんですが、白髪って増えるときは急に増えます。
1本気になって抜く
⇒「あれ?ここにも」って抜く。
⇒どんどん抜く本数が増える
これが近い場所だとして全部の白髪を抜いていたら、部分的に薄くなることはあります。
私の担当していたお客さんで、抜き過ぎて頭皮が透けて見えてしまった方がいらっしゃいました。抜かなくなれば生えてくるはずなんですが、その方はなかなか生えてこなかった(;´∀`)そして、伸びてきたところは何十本もピンピンしてました。
毎回数本(2~3本)だけ白髪で気になる場合は抜いても良いと思いますが、白髪が増えてきたら控えた方が良いですね。
白髪抜くと増えるって本当?
先ほども言いましたが、白髪って増えるときは急に増えます。
ある日白髪を見つけて抜いて、「最近白髪増えてきたなぁ。抜いたからかぁ?」となる人はけっこう多いです。
「白髪は抜いても白髪は増えない」と言われています。
髪の毛の毛根には「毛母細胞」と言って、栄養を受け取って髪の毛を作り出している部分があります。髪の毛に色をつけるメラニン色素を形成するメラノサイトも毛母細胞にあります。
つまり、1本抜いても他の髪の毛には影響されないという理由です。
が、白髪を抜くと毛根の細胞が少し壊され隣の毛根に影響し、抜いた毛の隣のメラニンも色素を作らなくなってしまう。と言うのも聞いたことがあります(*´ω`*)。
結論としては、「白髪を抜くと毛根や皮膚に影響してしまうので良くない」です。
白髪を切ると
白髪は抜くよりも切った方が良いです。
でも、切ったら切ったで「ピンピンと目立つ」「ツンツンしてしまう」という人も多いです。
白髪を切るとツンツンするわけ
白髪に限らず、黒い短い髪の毛でもツンツンしやすいです。
多いのは産後のお母さんなんですが、一気に髪の毛が抜けて再び生えてきた時に目立ちます。
で、白髪の場合は、黒い髪の毛の中に数本でも白髪あると目立ちます。
髪の毛は生えるサイクルがあります。髪の毛は成長するたびに徐々に成長するので、毛先が細く根本が太くなります。
これは髪の毛だけじゃなく、全身の毛も同じです。
腕の毛や足の毛をカミソリで剃ったことのある人は、「あれ?剃ったら毛が太くなった?」と感じたことはないでしょうか?
これは、髪の毛の途中をカットすることで細い部分がなくなるからです。
髪の毛って基本的に円錐なんですね(個人差はありますが)。で、円錐の先を切っていくと円柱に近ずくんですよ。
これが髪の毛の全体だとして
カットすると太い部分が表面にきます。
絵が根元からになっちゃってますが(;´∀`)、途中からのカットも同じです。
つまり、毛先が太くなり元気な髪の毛が根元から立ちやすくなります。これが、白髪を切るとツンツンしちゃう理由です。
あと、白髪はやっぱり黒髪より太いから。というのもあります。
全部が全部ではないんですが、白髪は黒髪より太い傾向にあるという研究結果はあるんですよ。
表面の白髪対策
とはいう物の、一番目立つのは表面の見えやすい白髪ですよね。
抜いてもダメ。切ったら目立つ。「どうしたら良いのよ!」ってなるところ。
染めるまではないくらいの白髪の本数であれば、「マスカラ」がお勧めです。
マスカラと言うと毎日塗らないといけないイメージがありますが、サロンドプロのは徐々に染まるタイプなので徐々に目立ちにくくなるのが良いです。
美容室でも「ナプラ」のマスカラが置いてあるところもあると思いますが、ナプラのマスカラはシャンプーで落ちるタイプです。市販の徐々に染まるタイプのもけっこう良いと思います。
気になる白髪の長さにもよりますが、長くて目立つ白髪なら5センチほどまで切ってから染めるのが簡単です。
人それぞれですが、美容師として私は「アンチ利尻」です。
マスカラだったら問題ないと思いますが、がっつり「利尻で染めてます」というお客様も多く、利尻で染めている方は他の配色ができません。
ずっとそのカラー剤を使うのであれば問題ありませんが、他の色に変えたいときに変えにくいのが白髪染めの利尻です。
白髪染め
本数が増えてきて白髪染めをする人も多いです。本数にもよりますしどのくらい気になるかにもよりますが、増えてきたら抜くのも切るのもNG。そして、この時に気を付けたいのは染料の違いです。
・ヘアダイ
・ヘアマニキュア
・ヘナや香草カラー
この中で「ヘアダイ」と言うのは頭皮に負担がかかりやすいです。
というのも、「ヘアダイ」というのは1剤と2剤を混ぜて使うのですが、2剤が髪の毛の脱色作用のある薬剤になります。
この脱色作用のある薬剤を頭皮に塗ることで、「白髪を抜く」と同様に、頭皮に影響する可能性があります。
それを考えるとヘアマニキュアやヘナがお勧めですが、ヘアマニキュアやヘナは染めた後に明るくできないというデメリットもあります。
美容室であれば、頭皮につかないように白髪を染めることはできます。
私が担当していた方で、頭皮が弱くヘアダイ以外にマニキュアや香草カラーを勧めたことがあります。
・白髪は目立つから染めたい
・白髪じゃない所は明るくしたい
こういった理由でヘアダイを続けていました。頭皮に保護クリームを塗りながら地肌につかないようにカラー剤を塗っていました。
これ、時間も神経も使うので出来ない美容室もあるかもしれません。担当の美容師に聞いてみてください。
白髪の量にもよりますが、根元から数ミリ生えてきただけで気になってしまう方も多いです。
根元からしっかり染めたい場合は、根元に薬剤をつけるしかありません。明るさが気にならないのであればヘアダイ以外の染料に変えることも考慮してみてはいかがでしょうか。
まとめ
元々髪の毛の量が多くて気にならないという方もいらっしゃいますが、基本的に白髪を抜くのはNGです。
白髪を切ったらツンツンして目立つという悩むという人も多いです。そういう方は染めるタイプのマスカラもお勧めです。
・白髪を染めるまででもないけど数本目立つ。と言う場合に美容師として相談されたとしたら、私はマスカラを勧めます。
染めようか悩んでいる方は、染料の違いで頭皮に負担をかけることもあるので担当の美容師に確認してみましょう。
・白髪を抜くとはげることはないが、抜き過ぎると薄くなることはある
・白髪を抜いてもは増えないと言いますが、細胞が傷つくことがあるかも
・表面の白髪は短くするとツンツン立って目立つ
・白髪用のマスカラお勧め
・染めるときは染料に注意