美容室で働いていると「妊娠してるんですが大丈夫ですか?」というお問い合わせをいただくことがあります。
美容室へ行っても大丈夫なのか、美容室へ行ってカラーやパーマをしても大丈夫なのか。と疑問にもたれる方もいらっしゃいます。
もちろん美容室へ行っても問題ありませんし、美容室でパーマやカラーをしても問題ありません。
ただ、やはりパーマやカラーは科学的な成分を使うので心配になる方も多いです。
美容師と言う立場から気を付けたい事もあるので、参考にして頂ければと思います。
妊娠中にパーマやカラーを断る美容室はある
ほとんどの場合、妊娠しているからと言っカラーやパーマを断ることはありませんが、稀に「妊娠中の方の施術お断り」と言う美容室もあります。
この場合、最悪のことを考えて断るか、妊娠中の方の体調を考えて断るか、どちらかだと思います。
最悪のことっていうと、「何かあるの!?」と不安になってしまいますが、妊娠中は体質が変わりいつもの体調と異なることも多いので、敏感になってかぶれたり、香りで気持ち悪くなって救急車。ってことも考えられるわけです。
そういった時になかなか対処できないこともあるので、お断りする美容室もあるようです。
あと、パーマやカラーがどのくらい人間の体に影響するかっていうのを考えてる美容室では、妊婦さんに対してお断りすることもあるみたいですよ。
妊娠中のカラーやパーマが胎児に影響するのか
妊娠して、カラーやパーマがお腹の中の赤ちゃんに影響するのではないか?と不安になりますよね。
「影響する」というお医者さんもいあれば「何の問題もない」というお医者さんもいます。
そう、私は医者でも助産婦でもないので実際のところどうなのかはわかりません。あくまで噂で、化学的根拠がないというのが本当です。
なんですが、頭皮には毛穴がたくさんあるので、薬剤が浸透しやすいかもしれないとは思います。
じゃぁ、それが体内に溜まるというのは本当かどうかはわからないのが現状です。
以前、板羽忠徳さんと言う方の本を読んだ時、「カラー剤やパーマ剤がホルモンに影響するというよりも、ホルモンを浪費させる」と言う様なことが書かれていました。
生理中のカラーやパーマも避けた方が良いと言われているのも、こういった理由なんだとか。
化学的根拠がないとは言うものの、必ず影響しないとも言い切れないですよね。
そう考えている美容室では断ることもあるみたいです。
心配な方は、妊娠中や授乳中もカラーやパーマは控えた方が良いと思いますが、そんなの関係ないって思っている人も実際にいます。
私は看護師さんのお客さんが多かったのですが、看護師さんはそういったことを気にしていない人の方が多かったんですよね。
美容師の立場から「体に影響しますよ」とも言えませんし、「大丈夫ですよ」とも言えません。
「心配な方は控えてください」としか言えません。
ただ、場合によってはカラー剤やパーマ剤を頭皮につけないようにすることは可能です。
妊娠中にカラーをしたい
妊娠中・出産を目前にカラーをしたいけど心配。
妊娠して一番気になるのが、カラーはしても問題ないのか?って所だと思います。
問題ないと言えば問題ないのですが、いくつか気を付けたいことはあります。
妊娠中は頭皮が敏感になりやすい
妊娠中はホルモンのバランスが変わるので、肌が敏感になりやすいんですね。
いつも使っているシャンプーが合わなくなったり、化粧品が合わなくなったりと、肌が敏感になることが多いと思います。これは頭皮にも当てはまります。
実際に染めに来る妊婦さんの中でも、初めてなのか2人目なのか3人目なのかで変わります。
変わるというのは、自分の感覚が分かるから染めても大丈夫って方もいるという事なんですが、妊娠が初めての方は、染め始めて「頭皮が痛い」「ピリピリする」と言う方もいらっしゃいます。
そういう場合にはすぐに流してカラーを中止します。
妊娠中はにおいに敏感になりやすい
妊娠中は「匂い」にも敏感になるようで、美容室のニオイがダメな方もいらっしゃいます。
妊娠してから「もう大丈夫だろう」と思って美容室を予約して、実際に来店した時に「すいません、匂いで気持ち悪くなってしまって・・・」というお客様もいらっしゃいました。
どんな匂いがダメでどんな匂いが大丈夫なのかは人それぞれです。
美容室には毎日行くわけでもないですし、美容室の香りって本当に独特で、入ってきた瞬間に「あ、ダメだ」と思うこともあるようです。
私も出勤するたびに「この匂いって美容室だなぁ」って思います。そのくらい独特だと思います。
カラー剤を塗り出して「匂いが気持ち悪い」という方もいらっしゃいます。やっぱり薬剤の匂いが強くてダメな方もいますね。
無理は禁物です。
この場合も、すぐに流して中止し洗い流します。
市販のカラー剤はあり?
美容室で体調がすぐれなかったから、家で体調の良いときにできるドラッグストアで買える市販のカラー剤をする方もいらっしゃいます。
で、妊娠中と出産後は「自分で家で染めてました」というお客様もいらっしゃいます。
体調のことを考えてお家で自分で染めることができるのであれば、私はホームカラーはありだと思います。
確かに美容室で染めた方が髪の毛はキレイに染まるんですが、匂いがダメだったり肌が敏感になっている方に、無理やり「美容室で染めてください」というのは酷です。
明るくしたいのか白髪染めなのかにもよりますが、「髪全体を染めないように」ということは言いたいですね。
・一度痛んだ髪の毛は元に戻りにくいこと。
・一度黒くした髪の毛は明るくしにくいこと。
カラー剤と言うのは傷みや色が積み重なるので、毎回毛先には使わないで欲しいというのが、美容師の本音です。
妊娠中のヘアマニキュアは大丈夫?
妊娠中の肌が敏感に反応してしまう方は、ヘアダイを使用していることも挙げられます。
「ヘアダイ」というのは、1液と2液を混ぜて化学反応を起こし髪に色を付けていく薬剤です。この2液が髪を脱色する作用があるんですね。
この「脱色」というのが、頭皮にも影響してピリピリしたりかぶれの原因になります。
ヘアマニキュア(酸性カラー)は脱色をしない、髪の毛の周りに色を乗せるカラー剤で、頭皮にもつけないように染めるので妊娠中には良いと思いますが、明るくできないことがデメリットです。
白髪染めには問題ありませんが、今までヘアダイで染めていたのに急にヘアマニキュアで染めると境目が目立ってしまうことがあります。
また、ヘアマニキュアの色にもよりますが、ヘアマニキュアは髪の毛の周りにコーティングする力が強いので、後にヘアダイで染めようとするとムラになることもあります。
「妊娠中だけ」と思ってヘアマニキュアで染めるのも、実は後々大変です。
いつもヘアマニキュアで染めている方は問題ないと思いますが、少々匂いもしますので、一応気を付けた方が良いかと思います。
妊娠中のヘナカラーは平気?
ヘナカラーは、基本的に白髪染めに用いるカラーです。ヘナの粉をお湯で溶いて頭に塗っていきます。
ヘアマニキュアと同様、脱色効果がないので明るくできません。
また、お店によっては、ヘナだけではなく染まりやすいように化学な成分を配合している場合もあります。
「ヘナ」といのは、自然の植物の染料なので、色を付けるのにものすごく時間がかかります。基本6時間ほど。
美容室で使用するヘナカラーは、染まりが早くできるように化学的なもの(ジアミン)が入っていることがあるので、アレルギーに注意したいところです。
もう一つ、「ヘナ」というのは自然の植物なので、ヘナ自体にかぶれてしまうことがあります。
私が聞いたことがあるのは、「漆」のアレルギーがある人は「ヘナ」にもアレルギーが出やすいそう。
今までヘナカラーで染めていたのであれば問題ないと思いますが、「妊娠中だから」といって安全性の高いであろうヘナで染めようと考えている方はお勧めできません。
妊娠中の白髪用ヘアカラートリートメントは平気?
妊娠中でも体調が安定していれば、ヘアカラートリートメントも問題ないと思います。
トリートメントと言っていますが、染まるように化学的な成分が入っているものもあるので気を付けましょう。
「無添加」のものがお勧めですが、いつも使っているものがあればそちらで大丈夫です。
初めて白髪用のヘアカラートリートメント使う方に、少し注意してほしいことがあります。
色によってはしっかり染まる場合があるので、後で明るくしたいときに出来ないこともあります。
初めて使う場合は、明るい色から徐々に使うことをお勧めします。
妊娠中の「白髪染め」か「おしゃれ染め」かにもよる
自分がしたいカラーが「白髪染め」なのか「おしゃれ染め」なのかで頭皮につけないようにすることも可能です。
例えば根元が2~3cm伸びてきて、黒い髪の毛が目立ってしまい根元を染めたいという場合、完全に根元につけないようにするのは難しいのですが、根元を浮かせて塗ることは可能です。
5cm以上伸びていれば、伸びてきたところだけラインを入れて明るさをなじませることもできます。このやり方は、伸びてきたときにハッキリ黒の部分が目立たないのでお勧めです。
これが白髪染めの場合、根元を浮かせて染めると白髪の部分が染まらないところが出てきてしまうので、伸びてきたところが目立ちやすくなります。
白髪の量にもよりますが、白髪がそこまで多くない方には頭皮につかないように根元を浮かせて染める方法もあります。
「根元からしっかり染めたい!」と言う方は、根元にカラー剤をつけないで染めることは難しいです。
根元からカラー剤を塗っても大丈夫な方もいらっしゃいますが、染めている最中にしみたりピリピリしたら、すぐに担当の人に言って流してもらう事をお勧めします。
妊娠中にパーマをかけたい
妊娠中は頻繁に美容室へ行くのが難しいし、産後のことを考えて、楽になるようにパーマを希望される方もいらっしゃいます。
パーマもカラーも同じで、頭皮が敏感になっていてしみることもありますし、匂いで気持ち悪くなることがあるので気を付けたいところです。
デジタルパーマや縮毛矯正なら頭皮に薬剤がつかないから大丈夫?と聞かれることもあります。
これもまた少し気を付けたいことはあります。
妊娠中のデジタルパーマ
通常のパーマ液とは違い、デジタルパーマは一液を塗ってから一度流し、専用のロットを巻いて熱で形を付けていきます。その後に定着させるために2液を付けます。
デジタルパーマは根元に薬剤がつかないので頭皮に関しては影響は少ないのですが、髪の毛に影響します。
デジタルパーマはもちがイイので、仕上げが簡単にできるというメリットはありますが、髪の毛は傷みます。
う~ん。毛質によるんだよねぇ。
何度かデジタルパーマをかけたことのある方は、自分の髪の毛がどうなるかと言うのが分かると思いますが、初めての方はちょっと注意です。
簡単に仕上がると期待したのに、傷んでキシキシ。結局仕上がりに時間がかかってしまう。というケースはあるわけです。
これは、元々の毛質や傷み具合にもよります。
デジタルパーマを希望の場合は、自分の毛質に合っているか担当の人に聞いて見ましょう。
妊娠中の縮毛矯正
縮毛矯正も基本的にデジタルパーマとかけ方は同じで、ロットではなくアイロンで伸ばしていきます。
もともと縮毛矯正をかけてきている方は問題ないのですが、「妊娠中に縮毛矯正をしたら楽かな?」という具合であればあまりお勧めしません。
何でかと言うと、縮毛矯正って半永久的なんですね。で、縮毛矯正をかけると、基本的にその後でパーマをかけることもできないですし、カラーもすると傷みます。
う~ん(; ・`д・´)。最近はストンとならないような縮毛矯正もあるのですが、どのくらいの癖かにもよります。
まぁ、半年たって髪が伸びて、結んじゃえば楽なんですけどね。
デジタルパーマや縮毛矯正は長時間なので注意
妊娠中はお腹も大きくなっているので、座りっぱなしは腰に負担をかけてしまう様です。
また、デジタルパーマや縮毛矯正は、シャンプー台で流すことが多いので、何度も椅子から立ち上がって移動するのも負担になると聞いたことがあります。
「いつもは平気なのに、お腹が大きいだけで結構しんどいね」と、私が担当していたお客さんは言っていました。
まとめ
妊娠中は色々と心配になってしまいますよね。
また、妊娠、出産、と考えると美容室へ行く時間もないかもしれない。
妊娠中や産後は結べた方が楽なのか?短くして簡単に洗えて乾かせた方が楽なのか?でもやっぱりオシャレもしたい!
髪型のことも色々考えちゃいますよね。季節によっても違うかもしれません。
【妊娠中に美容室へ行くときの注意】
実際に、頭皮がピリピリしてしまったり、匂いで体調を崩される方はいらっしゃいます。
できれば、体調が安定しないときやつわりがひどいときは控えた方が良いと思います。