美容師は、カットを練習するときにカット用の首から上だけのマネキンを使います。
カットウィッグはロングから切っていき、ボブ、ショート、刈り上げと短くしていきますが、短くしてしまったら基本的に使い道がないので捨ててしまいます。
何だか名残り惜しい。
そう、なんだか名残り惜しいのです。
そんなカットウィッグの話。
カットウィッグがベランダに並んでる
後輩の家に遊びに言った時、ベランダに4~5体カットウィッグのが並んでました。ちなみに全部刈り上げ。
何体もいつも見てるカットウィッグなのに、思わず「うおっ!」と言ってしまいました。
鳩よけだそうで。
ベランダに鳩が糞をしまくるので困っていて、「とりあえず並べてみたらいなくなった」と言っていました。
別の後輩が「うちも並べてますよ~」と。
マジか、そんなに鳩の糞の被害者がいたのか!
しかし全部刈り上げって。なんだったら角刈りが数体の方が勇ましくてイイのではないか?とも思いましたが、やっぱり角刈りは難しい。
でね、同じ顔で同じ髪型がずっとだと相手が慣れてきちゃうからたまに変えるんだと。
口紅でチーク塗ったり、めっちゃくちゃ濃い目の化粧を施したりもしてましたよ。
部屋にも並んでる
カット練習をやるようになると嬉しくて、何体も部屋に飾っちゃうっていう同僚もいました。
寝てる時怖いわ!って思ったけど、最初に使うカットウィッグって、なぜか愛着がわいちゃうんですよねぇ。
最初のうちはお金がないからなかなか変えなかったし。
んで、慣れてくると置かなくなるというパターン。
カットウィッグに名前つけて可愛がる
自分の買ったカットウィッグを間違えないように土台の裏に名前を書いておくんですが、「キャロライン」とい名前を見た時は「誰だよ!」って一人で突っ込んでしまいました。
先輩が自分の名前じゃなくてジョーダンで書いていたんですが、その他にも「マリー」とか「マリアン」とか「アンジェリカ」とか、外国人の女性の名前を付けてました。
んで、「私のアンジェリカ見なかった?」と先輩に言われる。基本的に名前に関してはみんなスルー。
2回同じ名前を見た時は「ネタが尽きたな」と、こっそり思うのです。
そして、刈り上げになったアンジェリカも何だか愛おしく思える。
まぁ、結局捨ててしまうんですが・・・。
ストレス発散で毛抜きで抜く
カットウィッグが置いてある場所で、丸椅子に座って何かしている先輩がいて、覗いたら毛抜きで1本1本カットウィッグの髪の毛を抜いてました。
「ストレス発散になるよ」と。
「怖ぇ~」って思ったけど、やってみたらなかなか良いんです。
無心になれる。なんなら練習前にやったら精神統一にもなる。
カットウィッグ大量に捨てて警察来ちゃう
これはお店じゃなくて、私が通っていた専門学校での話です。
今ではゴミ捨て場が箱タイプになっていたり、ビル内だと捨てる場所が道路じゃなくて内側にあることが多いですが、昔はよくゴミ捨て場に大量のカットウィッグが捨てられてました。
で、私が通ってた専門学校も普通に外のゴミ捨て場に捨ててたんですが、ある日警察が来て注意されてました。
学校の帰りに先生がゴミ袋の中にカットウィッグを詰めているのを見た時は、「これ、慣れてなかったら超怖い」と思いました。
髪の毛を乱雑に切られた頭たちが、
色々な方向を見てゴミ袋の中に詰め込まれていく。
詰め込んでいる人は白衣を着た無表情。
普通に考えたら怖いわぁ。
まとめ
カットウィッグは最終的に捨ててしまうことになりますが、愛着がわいたりストレス発散だったり、そこにはいろいろな感情がありました。
そう言えば、そんな感情も持たなくなってしまった自分もいるなぁ・・・。