美容師が辛くて辞めようか悩んでいる人もいると思います。そして、辞めたら後悔するんじゃないか?と、さらに悩む人もいると思います。
「美容師を辞めて後悔なんかない」という元美容師もいれば、「美容師を辞めて後悔した」という美容師もいます。
私は・・・両方かな。
私としては、「後悔するくらいなら辞めない方が良い」とは全く思いません。後悔しなかったのも後悔したのも、自分自身で勉強になって良かったと思っています。
入社して1ヶ月にしても、3年目にしても5年目にしても、美容師を辞めたいと思って悩んでいるなら辞めて良いと思います。
だって、未来を決めるのは自分だから。
・・・。
うっかり格好いい感じに言っちゃいましたが、辞める辞めないで悩んでるなら早く解決した方が良い。というのが本音です。
理由は様々ですが、辞めるという選択は有りです。
辞めようと思うとそのことが頭から離れなくなる
美容師を辞めたいって思う時って、ネガティブな方が多いと思うんですよ。
休みがない。
給料少ない。
先輩がヤダ。
思ってたのと違う。
自分には向いてないんじゃないか。
一回でも「辞めたい」「辞めようかな」って思ってしまうと、そのことが頭から離れなくなりませんか?
私は一度20代半ば過ぎで辞めてるんですが、「辞めた方が良いかな」と思ってからけっこう長くかかりました。
辞めようかなぁ。と思った後に、「まだいけるかな」「いつ辞めようかな」「どうやって上司に言おうかな」という悩みが出てきてしまうんです。
多分ですが、辞めることについて悩んでいる美容師さんはまじめ。もしくは1回も辞めたことがないか。
悩んでるのって辛いですよね。私は夜も眠れない程でした。
あとね、これは今思う事なんですが、あれは時間の無駄だったって思います。
もちろん、悩んだからこそ悩んでる人の気持ちが分かるって言うのはありますが、悩んでる時間は本当にもったいない。
不安があるから辞められない
辞めるのを悩んでるっていう事は、何かしら迷いがあったり引っかかる部分があってだと思います。
「上司に何て言おうか」とか。
「この店は良いところもある」とか。
「お客さんに悪い」とか。
「まだまだ技術を習得できてない」とか。
「専門学校のお金もったいない」とか。
「辞めた後どうしよう」とか。
じゃあ、続ける?
考え直して続けるというのも良いと思いますよ。実際に私の周りには「辞めるのを辞めた」というスタッフもいました。
例えば、そのお店のスタイルが好きだったりそのお店にいるスタイリストに憧れて入ってくる人もいます。
「やっぱりこの店のスタイルが好きだな」「絶対この人に近づきたい」「この人と仕事したい」って思ってたとしましょう。
考え直して、やっぱり続けようって納得して辞めるのを辞める人もいます。
でもね、「辞めたい」っていうのは、そういう気持ちも打ち消してしまったりするんですよ。
美容師を辞めて後悔したことの例
私の同僚や美容師の友人の話をもとに例を挙げてみたいと思います。
前の美容室の方がお給料が良かった
これは、お店を辞めて違うお店に就職したというパターン。
・休みが少ない
・給料が安い
・人間関係がうまくいかない
・体がきつい
など
辞める理由は様々ですが、その子の場合はお給料でした。
知り合いのつてで、今までより条件が良いとお店を変わったんです。
辞めるまでもめちゃくちゃ悩んでましたが、辞めた後はスッキリしてました。新しい場所で心機一転って感じ。
でね、何ヶ月かして「条件が違う」と相談を受けました。
その子はスタイリストだったんですが、「お給料が前の店より少し少ない。」とのこと。
美容師は歩合になるので、最初のお給料は少ないかもしれません。もちろんその子もそれも分かってました。
基本給から引かれる税金が多い。と言うのです。
そもそも、どういった内容でお給料が支払われるのかは確認した方が良いのですが、税金の引かれる額を書いてある求人募集もあまりないので、チェックしてみてください。
厚生年金や社会保険に加入してない美容室もあります。
厚生年金や社会保険に加入している美容室の場合、毎月引かれる額は増えますので確認しましょう。
どうしても目の前の金額しか見ていないとそうなっちゃう。
税金がどうのって言われても、詳しくなかったら将来どのくらい戻ってくるとかもよく分からないですよね。
お給料に関しては、「基本給が月に○○万円」というほかに、歩合のパーセンテージもお店によって異なります。
設定金額もお店で違うので、「あれ?もしかして前より少ない」となることもあります。
後悔しないためには、再就職する前にちゃんと確認すること!
前のお店の方が待遇が良かった
これも上の子と同じように、スタイリストで違う店に再就職したパターンです。
その子の場合は時間でした。1日の就業時間が長く、休みもあまりないので辞めて他のお店へ。
休みに関しては以前より2日ほど増えたらしいのですが、営業中の業務内容が前の方が良かったと後悔していました。
スタイリストで入ったのに、最初は指名もないからアシスタントとして働かないといけなかったと。
アシスタントとして他のスタイリストを手伝わないといけないから、自分にお客さんが回ってこないと。
自分はスタイリストとしてお客さんと接したいのに、なんでアシスタント業務なの?と。
お店を移動したら移動したで、そこでもイヤになってしまうことがあるかもしれません。
「前のお店の方が良かったなぁ」という後悔。隣の芝生が青く見ちゃうパターン。
お金がなくてお店を移動したのと同じように、どういった会社か、どういった内容なのかを知ってからの方が良いです。
2つの例は調べ不足という私の知人のミスですが、「辞めて次のお店探さないと」って焦ってしまうと見逃しがちです。
親や周りの人に言われた
辞めたことを言ってなくて辞めてしまい、親や周りの人たちから「もったいない」やら「どうして辞めたの?」と聞かれ後悔してしまう。
親に言う言わないはそれぞれですが、私は親に「仕事を辞める」と言うのは勇気がいりました。
後ろめたかったのかな。「この先どうするの!?」「なんで辞めたの!?」ってすごく聞いてくるだろうなぁ~ってのもありました。
でも、私の両親は「あら、辞めるのかい」でした。その後数カ月は働いていなかったんですが、何も言いませんでした。
興味がないというわけではなく、やりたいようにやらせてくれたって感じです。ありがたい。
「学校の費用を出したのは誰だ」「なぜ辞めたんだ」と親に。「もったいないよ」「またやるんでしょ?」と友人に。
周りから辞めたことを色々言われ、「辞めない方が良かったのかなぁ」と後悔してる同僚もいました。
私はこう思います。
「辞めたのは自分の意志だ!辞めちまったもんはしょうがねぇ!」
もともと気が弱いわけではありませんが、私は以前、自分の意見をあまり言えない方でした。
言えるようになったのは、初めてお店を辞めてからです。自分で自分の気持ちをちゃんと出さないといけないなって思ってから。
自分の意見に自信がなかったって言うのもあったし、そもそも自分の意見があまりなかったって言うのもありました。
自分の考えがしっかりしだしたのも辞めてからでしたね。
周りから言われても気にするなっていう人もいるかもしれませんが、普通は気にしちゃうよね。多少なりとも後悔してしまうかもしれない。
でも、大切なのはその後。気持ちを切り替えてどうするか、どうしたいかを考えることです。
他にやりたいことが見つからない
体力的にも金銭的にもきつくて美容師を辞めて他の仕事をしてみたけど、やりたいことが見つからなくて後悔。
美容師という仕事は、なりたくてなってる人の方が多いと思います。
「辞めてみたら美容師が好きって気づいた」っていう人もいます。
これは、後悔というより悩みの方が強いかもしれませんね。
後悔しているなら、また美容師として働けばイイというのが答えだと思います。
でも、仕事がきつくて美容師に戻るのを悩んじゃうっていう。
私の場合、仕事に復帰してまた体調崩したらどうしようっていう悩みはありました。
お給料は減ってしまうけど、パートやアルバイトで時間を決めてもイイんじゃないかな。って思います。
美容師を辞めて私が後悔した事
今の時点で後悔してるってことはないんですが、はじめのお店を辞めてから2年あいて別のお店で復帰しました。
その時は、「もっと勉強しておけば良かったぁ」って後悔しました。
2年あいてたっていう不安もありましたが、違う会社で働いてた人がいっぱいいて色々な技術があるんだなぁ。って思いました。
最初の美容室は店舗数もあって何店舗か変わってたので、自分では色々な人の技術を見てきたつもりでいたんですが、全然違いました。
まぁ、でも、後悔したからこそ次につながるな。というのも学べたと思っています。
美容師を辞めて良かったこと
私がお店を辞めた理由は、伸び悩んでたこと。そのことで上司とぶつかりモチベーションが保てなくなったこと。
味方をしてくれる上司もいましたが、一度下がってしまったモチベーションはなかなか戻ってこないんですよね。
ブロー中に泣き出しちゃったりして。心が病んでしまってたんです。
「こんなに頑張ってるのに、何で認めてくれないんだぁ~」しか考えられなくなっちゃう。他のことが頭に入ってこなくなっちゃう。
何店舗もあるお店だったので移動もしましたが、色々もうダメでした。何しても楽しくないし憂うつ。
辞めてみたら心が軽くなりました。心が軽くなると体も軽くなる。なんかもう、つきものが落ちたみたいに軽くなった。
私の場合は移動もしてみてダメだったので、完全に美容師を辞めようと思って辞めました。
当時、次はどうしようとかは全く考えてませんでした。
とりあえずアルバイトをしてましたが、心も体が軽くなったことで次にしたいことへの意欲がわきはじめたんです。
私の場合は海外でした。
美容室を辞めてからアルバイトでお金をためて、渡航費やら留学先の学校の費用などを溜めました。
色々な職種のバイトや海外へ行って分かったのは、「自分のいた世界はすごく狭かったんだなぁ。」っていうことです。
辞めて別の美容室に移動した同僚とも話したら、同じこと言ってました。
小さな世界で悩んでた自分は何だったんだろうね。と。
美容師を辞めて分かったこと
美容師を辞めてアルバイトをし始めた時に、「何だか物足りない」と感じることはありました。
手がうずうずするんです。
おもしろいもので、ハサミを開閉する夢をめちゃくちゃ見てた。シャンプーしてる自分の夢も見ました。
働いてる時はそんなことなかったのに、もしかしたら執着してたのかなって思いました。
でも、そのときは「海外に行きたい!」っていう気持ちの方がも強かったから進めた気がします。
今も美容師を辞めてるんですが、今はそんなことないんです。年齢のせいもあるかもしれないけど・・・。
「この違いは何だろう?」って考えたことがあるんですが、アスリートと近いのかもと思ったことがあります。
「やり切った」っていうアスリートの選手もいますが、復帰するアスリートの選手もいますよね。
気持ち的には似てるのかなぁ。って自分で勝手に思っています。
好きとか嫌いとかもあるかもしれないですが、そういった感情とは別に、やり残したことがあるとか自分の気持ちが落ち着かないとか。なんかモヤモヤしてる状態。
これってやっぱり、辞めてみないと分からない気持ちだと思います。
美容師に復帰したこと
海外での生活も楽ではなかったです。言葉の分からない所で生活するというのは大変でした。
国によって違うとは思いますが、働けるか働けないかの差も大きい。
で、アルバイトとしてでも働いて見ると、「日本の方が良いな」って思うことも多いんです。
帰国してからまた渡航しようとも思ってたんですが、そこには計画性はありませんでした。
30歳に近かったのですが、「自分にできることって何だろう?」って考えたときに、美容師しかなかったんですよ。
さっきも言った、アスリートの復帰と同じ感じ。だと自分で思ってます。
年齢も上がって美容師として働き出したら、おもしろかった。若いころとは違いました。
これも、辞めてみたからこそ分かるんだろうなぁ。とも思います。
後悔するかは分からないから辞めてみる
辞めて後悔することはあると思いますが、辞めないと分からないこともあります。
辞めたら後悔するかもしれないと悩むのは早い。
漫画「宇宙兄弟」の中で、シャロンおばさんも言っています。
悩むなら
なってから悩みなさい
後悔してもイイと思います。その後どうするかが問題です。
周りの意見も気になると思いますが、決めるのは自分です。
ドランクドラゴンの塚地さんも言っています。
だってライバルは自分ですから
「美容師を辞めたい」と悩んでいるなら辞めてみるのも手です。
入社してから何ヶ月だろうが何年だろうが、辞めてみて分かることがたくさんあると思います。
むしろ、何店舗か経験してみないと分からないこともあります。他の店に移動するのも良い、完全に転職するのも良い。
辞めるという選択肢は、自分の経験が増えるからマイナスではないと思います。
まとめ
私はけっこう悩んでしまうタイプですが、ふっきりは早くなりました。
でね、悩んだり後悔したりしてる最中って辛いんですが、後になってみるとどうってことなかったりします。
その時は辛いかもしれませんが、悩んだり後悔したりするのも人生の勉強だと思うんです。
私は今も勉強中。