美容室と言っても様々で、大手、大型店、個人店、業務委託などさまざまです。
美容専門学校の学生で今から就職のことを考えている人は、どういった形態の美容室にしたらいいか悩んでいるかもしれません。
「○○に就職したい!」という美容学生もいますが、漠然と「美容室で働く」と考えている美容学生もいるでしょう。
大手、個人店、委託業務と働いた私が、個人の見解をもとにメリット・デメリットを紹介したいと思います。
あ、ちなみに業務委託は卒業してすぐの働き方ではないので省きますね。
就職する際の参考になればと思います。
美容室の大手とは
大手とは、名前が知られているというのは一つ。チェーン展開をしている美容室で「大型店」とも言います。
美容室とは別に、エステやネイルサロンなどを展開していたり、自社製品を作っているところもあります。
TAYA(タヤ)、
SHIMA(シマ)
PEEK-A-BOO(ピークアブー)
MINX(ミンクス)
kakimoto arms(カキモトアームズ)、
apish(アピッシュ)
ZA/ZA(ザザ)
BEAUTRIUM(ビュートリアム)
TONY&GUY(トニーアンドガイ)
など
チェーン店展開で有名なのはEARTH(アース)、着付けやアップを勉強したいならSHISEIDO(資生堂)や山野愛子美容室などが挙げられると思います。
大手美容室のメリット
では、最初に大手の美容室で働くメリットをいくつか見て行きたいと思います。
人数が多い分勉強ができる
大手の美容室はスタッフの人数が多いので、その分多くの人に教わることができます。
お店によって基本的な型もありますが、美容師によって得意不得意もありますし、応用の仕方がそれぞれ違います。
何人もの美容師の仕事を身近で見られるという事。聞けるという事。また、働いているスタッフの人間性も様々だしお客様も多いので、「社会勉強」という点でもメリット。
多くの人に触れるというのは社会勉強になると思います。
仲間が増える
同期が多いというのはイイですよ。
愚痴も言い合えるし、切磋琢磨しながら技術を勉強するというのは為になります。
もちろん同期じゃなくても、上司でも先輩でも。仕事以外にも趣味があったり話が合ったり楽しいことが増えますよね。
「別に仲間欲しくないし!」っていう人もいると思うんです。でもね、一人でいる個人と集団でいる個人では違います。
一人でいると一人での考え方しかできない。大勢の中でいたら考え方も臨機応変にできるようになる。と思うんです。
逃げ場が多い
美容師にとって人間関係の悩みは多いのですが、逃げ場があるというのは大手ならではじゃないかと思います。
他の店舗に移動できるし、人数がいれば相談できる機会も増えます。
お店の広さも「逃げ場」と捉えることができますよ。
私は一時期、半地下にあるお店で働いていたことがありました。
それまでは2階にあるお店だったので感じなかったんですが、「光が届かないってこんなに気持ちが憂鬱になるんだ!」と確信しました。
その時は「外の掃除してきます」という逃げ場。まぁ、大きいお店は何につけても逃げ場は多いですよ。
ヘアメイクをやりたい人には
例えば将来、雑誌やタレントを担当するヘアメイクアーティストになりたかったり。
例えば将来、ショーや映画などでヘアメイクをやりたいと思っていたり。
美容室で働く美容師ではなく、ヘアメイクのスタイリストになりたいという人もいると思います。
大手の美容室では、そこに所属しているヘアメイクアーティストもいますし、その美容室出身と言うアーティストもいます。
大手では雑誌で取り上げてくれる機会も多いですし、コンテストのエントリーもしやすいと思います。その分、人目につく機会が増えるという事ですね。
休みの日に撮影を手伝いに行ったり髪型以外にメイクの勉強もしないといけないので、通常のアシスタント業務より大変ではあると思いますが、これも大手のメリットだと思います。
ある意味「つてが増えやすい」というのもあると思いますよ。
大手美容室のデメリット
では、反対に大手美容室のデメリットもいくつか見て行きましょう。
人数が多い分嫌な人もいる
先ほど、人数がいるから勉強になるし仲間も増えると言いましたが、反対に、人数が多いからこそ嫌な人も出てきます。
逃げ場も見つけられず「マジで辞めたい」って思う人も正直います。
優しい人もいますが、厳しい人もいます。
大手の方が上下関係が厳しくなりやすいのはデメリットかと思います。
お給料が少ない
美容師はお給料が少ない職種として挙げられますが、これはお給料の差が大きいと私は思っています。
つまり、お給料を多くもらっている人もいる反面、アシスタントの給料が低いんです。
就職してすぐのお給料は、大手になればなるほど少ないかと思われます。
大手では、人件費の他にかかる費用が多いんですよね。広告費とか家賃、光熱費、その他もろもろ。

出世に時間がかかる
大手になればなるほど、世間に知られているというネームバリューからテストや試験が厳しいと思います。
店舗にもよると思いますが、試験を簡単にして誰でもスタイリストになれたら技術も低下しますよね。
技術の低下はお客さんのお口コミなどでも言われますし、評判も下がります。
技術のチェックが厳しい分、時間がかかりスタイリストになる時間も長くなると言えますよね。
う~ん(; ・`д・´)。これってデメリットとも言えないんですがね。
美容室の個人店とは
個人店とはその名の通り、オーナーが個人で出している美容室です。
私の中で「個人店」のイメージは、年配の人が一人でやっている美容室って感じでした。
ですが最近は、若いながら大手から独立して個人の美容室を出す人も多いですし、個人店からチェーン展開するケースも多いです。
最近は大手のようにな個人店や、オシャレでかわいい感じの個人店も多いなぁ。と感じます。
個人店美容室のメリット
では、最初に個人店の美容室で働くメリットをいくつか見て行きたいと思います。
和気あいあいで仲良く
性格的に人数が多くいのが苦手な人は、小規模、もしくは個人店がイイと思います。
私が学生の頃に通ってた美容室は、40代の男性オーナー、20代の女性スタッフ2人という体制の個人店でした。
3人とも仲が良くて、お店が終わった後に通りかかったことがあったんですが、3人でお茶を飲みながら談話。
ほのぼのした感じはすごく好きで通ってましたね。
練習もしっかり見てくれる
1人か2人で大人数を見る練習とは違い、1人1人細かいところまで見てくれるというのは個人店ならでは。
もちろん大手でも細かいところも見てくれますが、分からない所を聞くのと、分からないことが分からないアシスタントの練習を見てくれるというのは大きく違いますよね。
しっかり見てくれる分だけ、早く習得できる。というのは個人店のメリットかな。
自分がお店を出すときに参考になる
フランチャイズ店のオーナーになるにしても個人店のオーナーになるにしても、細かいところは異なりはしますが「経営」ということには変わりはありません。
個人店ではオーナーとスタッフとの距離が近い分、将来自分でお店を出すときの参考になりやすいと思います。
例えば、材料費などの仕入れ額などを把握しやすい。ディーラーと話もしやすい。
大手から学べることもあるんですが、個人店で直接オーナーから学べるのは身になります。
オーナーにもよるんだけどね。
私は、会話の流れで何気なく聞いたり、材料係で何が必要か必要じゃないかというのは把握できて良かったと思います。
個人店美容室のデメリット
では、反対に個人店の美容室のデメリットもいくつか見て行きましょう。
合わなかったら最悪
和気あいあいと仲良くできればいいのですが、オーナーや周りのスタッフと合わなかったら最悪です。
個人店では逃げ場も少ないですし、相談できるスタッフもいないかもしれません。
大手でもあることはありますが、個人店だとどうしても狭いから、嫌だと「辞める」って言う選択肢しかないかも。
学べる機会が少ない
オーナーが元有名美容室出身などであれば憧れて入りたいという場合もあると思いますが、多くの人のスタイルを見れないというのはデメリットなのかな?
個人店から業務委託のお店に入って、「全然違うんですね!」と驚くスタッフもいました。
本当、コレはお店にもよるところは大きいんですが、個人店だと地域密着型になってしまうことが多いので、スタイルの幅が広くないというのはあるんじゃないかと思います。
他店で通用しない場合も
これもお店によるんですが、苦労してた先輩がいました。
個人店から大手に転職したケースです。
私が働いていたところは、他の店でスタイリストであろうがなんであろうが、基本的にはアシスタントからの仕事をして、試験を受けて。って感じでした。
個人のレベルにもよるんですが、個人店で習ったことが大手では全然違って、結局けっこう長い間アシスタントでした。
これはあくまでも、もしかしたらっていう話です。
美容専門学校の就職先
大手の場合、美容専門学校の違いでも入りやすい美容室があります。
就職先のサポートをしていて、美容専門学校の先生が推薦してくれるんですね。
お店とのつながりがあったりするのかな?前の卒業生などの実績とかもあるかもしれませんね。
今から美容専門学校を選ぶって人は、その辺りも見て良いかもね。学校のホームページに「主な就職先」などと掲載されています。
もちろん推薦がなくても応募できますのでご安心を。
個人の見解
自分に合った働き方というのは大切ですが、それを見つけるのって働いて見ないと分からないですよね。
私の場合は最初は大手に就職して良かったな。って思ってます。で、自分が働いてたからという事ではないんですが、就職先を大手か個人店か悩んでいる人には、大手を勧めます。
嫌なこともありますが、実力世界って言うのも肌で感じれたし、根性がついた。
メンタルが鍛えられたのは大手だったから。というのあると感じてます。
私は仕事において「逃げ場」ってすごく大切なんじゃないかって思ってるんですね。
大手だから逃げられた。逃げ癖がついちゃうのは良くないけど、逃げられたから続けられた。っていうのは自分ですごく思います。
最初に個人店に就職してたら、けっこうすぐ辞めてたんじゃないかっていうのは私の個人の体験です。
あ、ちなみに小学生の頃から集団行動は苦手でした。
集団行動が苦手だから個人店。よりも、集団行動が苦手だから大勢。が良いと思います。個人店は本当にスタッフ同士が近いので。
ムーミンの中で、リトルミィは言っています。
逆よ、全く逆よ。
自分と向き合うにはひとりになるんじゃないわ。いろんな人と関わりあうのよ。
お友達とおままごとしろって言っているんじゃないの。
自分の知らない、自分を知らない人たちと関わりあうのよ。
見えてくるわよ、
本当の自分が
学生から就職するという、美容師として一番成長する時期に大勢の中にいるというのは、良いと思うんですよね。
本当にアットホームな場所で働きたいという人は個人店がお勧めです。
まとめ
【メリット】
・人数が多いので色々と勉強ができる
・仲間が増える
・逃げ場が多い
・ヘアメイクをやりたい人には良い場所
【デメリット】
・人数が多い分嫌な人もいる
・お給料が少ない
・出世に時間がかかる
【メリット】
・和気あいあいで仲良く
・練習もしっかり見てくれる
・将来の経営の参考になる
【デメリット】
・スタッフと合わなかったら最悪
・学べる種類が少ない
・他店で通用しない場合も