気が付いたら襟足の髪の毛が短い。
他の部分は伸びてるけど、襟足の髪の毛だけ伸びない。
髪を結んだら襟足の毛がパラパラ落ちてくる。
美容師の仕事をしていると、襟足の髪が短いことで悩んでいるお客様もいらっしゃいます。しかも、手触りがチリチリしていたりジリジリしていたりする方も割といらっしゃいます。
襟足の髪が短く伸びないのにはいくつか原因があり、対策方法などのまとめです。
そもそも、うなじの産毛なのか切れてるのか
「後ろのこの部分だけ伸びないのよね」という相談をたまに受けますが、うなじの産毛の場合があります。
「産毛(うぶ毛)」というのは基本的に他の髪の毛と違って、生え変わる期間も伸びる速度も異なります。また、眉毛や鼻毛などのように伸びる長さも異なります。もみあげもそうですね。
前髪の生え際の毛に産毛があると思いますが、襟足の産毛の方が濃い人はいらっしゃいます。そして、他の産毛よりも長く伸びる傾向があります。
目安として、通常は2~3cmで長い人で5cmくらいまでは産毛、それ以上7~10cmくらいから伸びないというのであれば切れ毛です。
久しぶり伸ばしてみたら襟足が伸びなくて気になった。と言う方もいらっしゃいます。本当は子供の頃からそうだったのに、大人になってから気が付いた。という場合もあります。
襟足の髪の毛が伸びない原因
襟足の髪の毛は基本的に細いので、「伸びない」というより「切れている」ことが多いです。髪の毛が切れることによって「チリチリ」「ジリジリ」になることもあります。
チリチリと言っても髪の毛がボコボコした感じではなく、糸を思い切り引っ張って切れたときのような、切れた場所だけうねったりそこだけジリっとした感じになったり、色々です。
身体の中が原因の場合、一定以上、襟足の髪の毛が伸びないこともあります。
外的要因、内的要因、いくつか原因を見て行きましょう。
摩擦で絡んでチリチリ
お子さんのいらっしゃる方は分かるかもしれませんが、子供の髪の毛って細くて絡みやすいですよね。まだ起き上がれない赤ちゃんなんかは特にそうなんですが、寝っぱなしだけど頭を動かすので、摩擦で絡まって玉になっていることもあります。
襟足の毛は細いので、赤ちゃんの髪と同じように摩擦で絡まります。で、絡まって切れてしまうとチリチリした髪の毛ができあがります。
例えば首の長い洋服。特に静電気の置きやすいセーターなどは髪の毛が絡まりやすいですね。マフラーもそうですね。
あと、枕の摩擦です。
知らない間に頭を動かしていたり寝返りをうつことも多いので、髪に負担がかかります。
髪の毛は乾燥していると静電気が起きやすいですが、塗れている状態の方が髪の内部が変性しやすいという特徴があります。
濡らした状態で寝てしまうと髪の毛の内部の構成が変わり切れやすくなるんですね。
つまり、乾かさないで寝てしまうと切れやすくなるという事です。
後ろの髪の毛は、何かに触れる(接触する)ことが多いので、摩擦が起こり傷みやすいんですね。
夏場に多いのは日焼け止めですね。日焼け止めを首に塗ると必然的に襟足の髪の毛につくことが多く、乾燥しやすく切れることもありますよ。
ブロー、ブラッシング、アイロンのし過ぎ
髪の毛は、熱や静電気にすごく影響を受けます。
毎日ブローやアイロンをする人は襟足の髪の毛が切れやすいのかな?と言うのは、美容師として接客していて思います。
これもやはり、襟足の髪の毛が他の部分よりも細かったり摩擦を受けることにあります。
ブローで毎日髪の毛を引っ張って仕上げてるというのは、髪の毛が切れる原因でもありますね。
アイロンを使う時の温度も注意です。
確かに温度が高い方が形がつきやすいのですが、髪の毛が傷んで切れやすくなります。
温度が高いヘアアイロンを毎日使うと、髪の毛の水分が減り髪の毛がチリチリッとすることもあります。
美容室で使うストレートアイロンの最高温度は180~200度程度で、かなり高めです。メーカーによって設定温度は色々だと思いますが、最近は200度前後に設定できるアイロンもあります。出来れば120~150度を目安に。
もう一つ。何度もアイロンを通さないことも大切です。
ヘアアイロンの温度を下げ過ぎて何度も髪を巻くのも良くないのですが、低い温度でスタイリングできるのであればなおさらOK。
縮毛矯正
縮毛矯正を何回もかけている人は襟足の髪の毛が切れてしまい短くなる傾向があります。
髪の毛の丈夫さは人それぞれなので、初めて縮毛矯正をかけた人でも襟足の細い髪の毛が切れやすくなることもあります。
あと、アイロンを入れるときに根元が折れて切れてしまうことがあります。
これは完全に技術の差と言ってもイイのですが、この場合、根元からごっそり髪の毛が切れます。
最初は気が付かないのですが、伸びてきたときに「あれ?短い毛が多くない?」と。縮毛矯正をかけた跡、揃って切れているのであれば、もしかしたら縮毛矯正をかけたときのアイロンのせいかもしれません。
伸びてきた根元が癖で気になるのも分かりますが、出来れば3ヶ月ほど間をおいた方が髪のためにも良いと思いますよ。
頻繁なパーマ・カラー
パーマやカラーは縮毛矯正よりも薬剤が強くないものの、繰り返すことで髪の毛に影響して切れやすくなります。
特に、縮毛矯正やデジタルパーマなど、熱によって形を変えるタイプのパーマは髪の毛の水分が飛びやすく硬くなります。
熱変性で仕上げた髪の毛は一見しっかりしていそうなのに、引っ張ると簡単に切れることがあるんです。
髪の毛の中がスカスカ状態。
カラーの場合、ハイトーンをくり返す人に切れ毛が多く見られますね。
ケアしながらの施術も大切なのですが、お家に帰ってからのホームケアも重要です。
年齢的なもの
パーマやカラーは昔からしているんだけど、ここ数年襟足の髪の毛だけ切れやすくなった。という方もいらっしゃいます。
髪の毛は老化の症状を受けやすい場所なんですね。
年齢とともに髪の毛がうねったり乾燥したり、油分や水分が足りなくなり髪に影響します。
身体も同じなんですが、20代の頃は大丈夫でも30代になって急に影響することがありますよね。
太りやすくなったとか、傷の治りが遅くなったとか。
肌とか特に。昔は石けんで洗って何もつけないでも平気だったのに、年齢とともに乾燥してきたとか。シミが増えたとか。毛穴が開いてきたとか。
髪の毛も一緒なんですね。
私の担当していた方は、白髪が急に増え、明らかに襟足の髪の毛だけが細くなっていました。で、切れて10cmほどの短い髪の毛がたくさんあって、それ以上伸びないんです。
その方は、毎日のヘアアイロンを辞めたら伸びるようになりました。
栄養不足(ホルモンバランスの乱れ)
老化以外にも、髪の毛はストレスや生活環境の影響がもろに出る場所でもあります。
「襟足の髪の毛だけ伸びないなぁ。ストレスかなぁ。」というのはあまり見ないんですが、栄養が不足していると髪の毛全体が乾燥しやすく切れやすい傾向です。
髪の毛全体に影響するというのは、細い襟足が先に切れやすいという事でもあります。(人によります)
そして、栄養が足りていないので髪の毛が細くなりチリつきやすくなります。
急激なダイエットも良くないですよね。ホルモンバランスが乱れて髪の毛にかなり影響します。
炭水化物抜きダイエットで、髪の毛がパサパサになってしまったお客さんもいました。
爪もそうなんですが、髪の毛の栄養って最後に回ってくるらしいんですよ。栄養が必要な場所の優先順位が低いんです。
それこそ若いうちは出にくいんですが、ある日突然、髪の毛に出ることもあります。
生活習慣。いろいろ気を付けておきたいところですね。
ヘアスタイルの違いで・・・
例えば多いのが、ボブのスタイルから伸ばし始めたときです。
少し伸びてくると髪の毛を結ぶことも出てくると思いますが、この時に襟足が他の髪の毛よりも短くて、「え?襟足の髪の毛だけ伸びてない?」と感じることもあるようです。
スタイルによって違うんですが、襟足の髪の毛を、上にかぶってくる髪の毛よりも数センチ短くすることがあります。
襟足は、「生え癖」と言って髪の毛が生えている方向が上に向かっていることが多いので、短くしないとお客様が自分でブローした時に髪の毛のラインが揃いずらく、ヒョロっと出てきてしまうことがあります。
なので、内側だけ短くするカットもする場合もあります。ショートも同様です。
こういう時は、ある程度伸びてから襟足と他の髪の毛を揃えるようにカットします。
カットの場合、レザーカット(カミソリですね)で髪の毛がチリっとなることがあります。
レザーカットが悪いというよりも、レザーの刃を変えていなく切れ味の良くない刃で切るのが良くないんです。
もしレザーカットが嫌であれば、「ハサミで切ってください」と美容師に注文するのももちろんOKです。
もう一つ。長い髪の毛の方で毎日ギュッと結ぶスタイルの方は襟足が切れやすいと思います。常に髪の毛にテンションがかかっている状態なので、根元から抜けやすかったり途中で切れやすい。
髪の毛を乾かすのが面倒だったり半乾きで結んでしまうと、切れやすいと思います。
実はコレ、私もそうなんですが、髪が長いので面倒くさくて完全に乾いていない状態でお団子頭にしちゃうんですね。で、気が付いたら襟足の髪の毛が切れて、短い部分がお団子に入らなくて出てきてしまうようになりました。
私の場合、襟足の髪の毛だけではなく、もみあげも切れて短くなっています。そして、前髪も切れてピョンピョン出てきてます。
結ぶのを辞めたら襟足の髪の毛が伸びてきた。と言う方もいらっしゃいますし、実際に私もそうで、ギュッと結ばない日が続くと髪が復活してきます。
襟足の髪の毛だけ伸びないときの対策
襟足の髪が短くてチリチリしているときに気になるのは「今すぐどうにかしたい!」って所ですよね。
「襟足の短い髪の毛を今すぐ長くしたい」というのは無理なんですが、切れないようにいくつか改善できることもあります。
また、襟足の髪の毛がチリチリしている場合、そのチリチリがなくなると気にならなくなりますよね。
いくつか対策を見て行きましょう。
アイロン、結び方
先ほども出ましたが、毎日のアイロンや毎日テンションのかかった髪の毛の結び方をやめるだけでも改善することがあります。
ポニーテールやお団子頭などから、ゆるくフワッとした結び方をするだけでもかなり変わります。
毎日アイロンしていたのに急に辞めるのは慣れないですし、毎日結んでいたのをそれ以外の結び方にするのも難しいかもしれませんが、慣れましょう。
どうしても、毎日髪の毛を結ばないといけない職業の方もいらっしゃいますよね。
そう言う方にはトリートメントを勧めます。
トリートメント
トリートメントと言っても色々で、ドラッグストアで売っているトリートメントで良くなる方もいらっしゃいます。
かなりチリチリした感じが強い方は、3ステップのしっかりケアするタイプのホームケア用のトリートメントを勧めることもあります。
いきなり乳液を塗るよりも、化粧水、美容液、保湿と順番にしっかり塗っていくのかで肌の水分量って変わってくると思うんだけど、髪も一緒で、ちゃんと補給してあげるともちが良くなるよ。
絶対にチリチリした髪の毛が治るというわけではないんですが、髪は強くなると思います。
大切なのは家でしっかり続けることです。
美容室によって置いてある3ステップトリートメントも違うと思いますが、有名なのはミルボンの「リンケージミュー」とか、タマリスの「ヘアレスキュー」とかですかね。
有名だし、やっぱり良いと思うのもこの2つかな。
ミルボンのはお試し用的なのがなくて業務用。4ステップ目のホームケア用は切り離して使うタイプで、これは薬局で見かけます。
タマリスのヘアレスキューは業務用の大きいサイズもありますが、小さい箱に3ステップトリートメントが入っているのもあって試しやすいと思います。反対に4ステップ目のホームケアのトリートメントは大きいのしかないんです。
どっちが良いかは好みになってしまうんですが、ヘアレスキューは小さいのもあって、3ステップで1000円くらいで割と安いので試しやすいと思いますよ。昔からあるトリートメントでロングセラーの人気商品なのでお勧めです。
縮毛矯正はあり?
たまに「襟足だけチリチリで、ここだけ縮毛矯正ってできますか?」というお客様がいらっしゃいます。
この場合、髪の状態によりますが、短くて切れているチリチリした髪の毛は縮毛矯正はお勧めできません。
ストレートになることもあるのですが、かなりリスクが高く反対に切れて余計にチリチリしてしまいます。
最近では「水素トリートメント」や「酸熱トリートメント」といって、トリートメントで癖が伸びると好評です。
チリチリの場合は、こういったトリートメントでも伸びるか美容室で見てもらうと良いかもしれません。
栄養を摂る
「栄養摂って本当に伸びるの?」と。私は自分がそうなって思ってました。
栄養不足や年齢的な切れ毛では、実はこれが本当に大切だったりします。
年齢的なものじゃなくても、一人暮らしで仕事が忙しい、一人だから簡単に食事を済ませてしまうなど、かなり栄養面での影響は大きいです。
女性の場合は特に、ミネラルが不足しやすいんだそうです。鉄分とか亜鉛とか。これって血液に必要なミネラルだと思うんですが、髪を育てるのにもすごく重要なミネラルも必要ですね。
あとはタンパク質ですね。髪の毛はタンパク質でできているのですが、年齢とともにたくさんお肉とか食べられなくなりますよね。これが髪に影響する人も多いですよ。
ジムに通いだしてプロテインを飲み始めて髪の毛が強くなったお客様もいらっしゃいます。
個人差もありますが、私が飲んでいるのはアミノ酸のサプリで、飲み始めてから3ヶ月ほどで髪が回復した経験があります。システインとかケラチンとか、髪や爪に必要なアミノ酸が豊富なものが良いか見しれません。
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基本的に髪の毛に出るのは「3ヶ月」と言われているので(伸びてきて分かるようになるのにも時間がかかるからだと思います)、少し時間がかかるかもしれませんが、もしサプリメントを試すなら3ヶ月は続けると良いと思います。
胃腸が強い方だと黒酢とかも良いと思いますよ(´▽`*)
まぁ、何事もバランスは大切ですよねぇ。
まとめ
私は髪の毛が長いので、仕事の時も結んでましたし家にいるときもまとめていて、かなり襟足に短い髪の毛があります。
年齢的なものもあって年々切れやすくなってる気はしますが、いつも、短く切って結ばなくなると伸びてきます。
・摩擦で絡む
・毎日のスタイリング
・縮毛矯正
・頻繁なパーマ、カラー
・年齢によるもの
・栄養不足
・スタイルによって内側が短い
解決策は一つではないので、チェックしてみて自分の髪の毛はどのような状態なのか知ると対策しやすいと思います。