私の中で「おまかせ」と言えば、カウンターのすし屋か美容室である。もしくは「アッコにおまかせ」。
「大将!おまかせで!」「あいよ!」
「今日のカットは任せします」「はい、かしこまりました」
「アッコに~」「おまかせ~~」
カウンターのおすし屋さんに行ったことはほとんどありませんが、家族で数万円を握りしめて「時価」と書いてあるすし屋に行った思いではあります。
何が言いたいかと言うと、「おまかせ」ってなんだか怖い。
で、実際に美容室で「おまかせで」と言ったことがある人ってそんなにいないんじゃないかな?って思うんです。
美容師の私は実際に、言われたことがあまりないのでそう思いました。
言われるのはだいたい指名の方ですかね。
初めてのお客様で「お任せします」と言うケースはありますが、これはカウンセリングがあってから初めてその言葉が出てきます。
美容師は「おまかせ」に困る?迷惑なの?
指名の方や、フリーの方でも何回か担当したことのある方であれば美容師側も分かりやすいのですが、問題は初めてのお客様。
困るか困らないかで言ったら、私は困りません。
ただ、初めてのお客さんであれば、その人の趣味や好みも分からないのでめちゃくちゃ質問すると思います。
・どこまで切ってイイか
・前髪は無い方がイイかあった方がイイか
・今までの美容室でなんて言われたか
・乾いててカットして良いか
その他もろもろ
「おまかせ」と言って「おまかせ」じゃない人もいるからなんです。
でも、実際に、初めての美容室で初めての美容師に「おまかせ」と言うのは勇気がいるんじゃないかって思います。私がそうだから。
だって、怖くないですか?
担当した美容師がお客さんを担当するようになって数回目ってこともあるんですよ。
初めての場所で完全に「おまかせ」って言うのは、
ユーチューバーか、
「やってみました」系のブロガーか、
美容室ジプシーか、
本気で自分の髪型を悩んでいる場合か、
本気で自分がしたい髪型が分からない場合か、
美容室自体が初めてか。
実際、初めて行った美容室で「おまかせ」って言って失敗されたら、もう行かないと思うんですよね。
その辺りも含めて参考になればと思います。
美容師が実際に「おまかせ」される場合
指名の方でも初めての方でも、「おまかせします」というケースがあります。
美容室に行っても似合う髪型がわからない
男性の方でも女性の方でも、自分が「似合う髪型がわからない」という人はいらっしゃいます。
この場合、美容師側(私)から質問するのは、
・いつも自分でセットするのか
・どこまで切ってイイか
です。
初めて見て「この人めちゃくちゃショートが似合うだろうな」と美容師側が思っても、実際に「そこまで短くしたくない」という人もいます。
で、美容室で切った時はいいけど、帰って自分でセットしない人もいるので、そういう場合はすき具合も変えることもあります。
自分の中に「本当にやって欲しくない」っていうのがなければ、完全にお任せはありだと思います。
ただ、自分の好みではないことを伝えてもらえるとカットしやすいです。
美容院に行っても髪型が決まってない
髪型が決まってなくて来店される方もいらっしゃいます。
髪型が決まってなくて来店される場合、おそらくすごく質問されると思いますので覚えておいてください。
実際、上手い美容師さんはその辺も持ってくの上手いと思う。
実際に髪型が決まってなくてを悩んでいる人は、2パターンあります。
・「じゃあ、バッサリ短くしましょうか」と言って悩む人。
・「じゃあ、バッサリ短くしましょうか」と言って、「じゃぁそれでお任せします」という人。
男性の場合であれば、
・「じゃあ、サイド刈り上げましょうか」と言って悩む人。
・「じゃあ、サイド刈り上げましょうか」と言って、「じゃあそれでお任せします」という人。
悩む人の特徴として、「本当はそんな感じにしたくない」か、「本当に悩んで躊躇している」か、「いやいや、そんな奇抜な感じしたことないわ!」か。
やっぱりカウンセリングありきなんですが、読み取る力がある美容師さんはいるよなぁ。
実際にカウンセリングで納得してもらえれば、「おまかせ」でカットもカラーもパーマもします。
で、美容室に行ってカウンセリングしても悩んじゃう人の場合、私だったら「徐々に短くしていきませんか?」という提案をします。
長さにもよりますが、ロングからボブでも、刈り上げの12ミリから6ミリでも、短いにしても長いにしても、段の入れ具合にしても、やっぱり急に短くしたりスタイルを変えるのって勇気がいると思うんですよね。
ただ、この場合、カウンセリングの時間が長くなる事もあるので後に予定を入れないことをお勧めします。
もう一つ。美容室に寄りますが、カウンセリングが長いと担当が変わる可能性もあるので考慮してほしい。というのが美容師の本音です。
時間で区切って予約を入れているので、カウンセリングが長くなってしまいその後に指名が入っている美容師の場合。担当が変わる可能性もあります。
これは本当に美容室によります。
美容院が初めて・初心者の人
初めてのところって緊張しますよね。
慣れてしまえばそんなことないかもしれないけど、特に美容室なんて美容師と1対1って緊張しちゃうし、システムとか良く分からない。
男性と女性でも違うのかもって良く思います。
高校生とか大学生の男の子で、「美容室初めてなんです」って子はいるけど、女の子は小学生の頃から美容室でカットしてることも多いと思うんですよね。
美容室が初めての方や初心者の方は、自分がどういう髪型が似合うのか、したい髪型が決まってないっていうのと似てるのかもしれませんが、「どうしていいか分からない」ってあると思います。
私は今でも覚えています。それは小学4年生の頃。母親に「髪の毛切ってきなさい」と言われ、近所の美容室へ連れていかれ、「後で迎えにきます」と一人取り残されたことを。
最初に話しかけてくれたのはお姉さんで、猛烈に人見知りだった私は緊張のあまり受け答えができませんでした。シャンプー中も、「痒いところないですか?」の質問にさえ答えられない程緊張してたんです。
で、切ってくれる人は男性で、「どうしたい?」と聞かれても「う~ん」と答える私。
「じゃぁ、こういう風にしようか?」と提案されても「う~ん」と答える私。
何が似合うとか「こうしたい」とかは本当になくて、何が良いのかよく分からなかったんです。
結局、ボブくらいあった髪がバッサリと耳が出るくらい短くなり、それがかなり好評で自分でも気に入り、数回その人を指名することになります。(その後、美容室が改装して他の美容室になってしまい、その人はいなくなってしまいました)
多分、美容室に慣れてないのって子供だけじゃないと思うんですよね。
じゃぁ、初めてて慣れていない人の場合はどうするかと言うと、カウンセリングありきですが、やっぱり切りながら色々聞くかもしれません。
「段入れた方が軽くなると思いますが入れても良いですか?」
「前髪あった方が似合うと思うんですが短くして良いですか?」
などなど。
イメチェン
美容室に行く理由として「イメチェン」って大きいと思うんですよ。
毎月美容室に行く人もいると思いますが、半年、1年近く美容室に行ってなくて「イメチェンしたいな」って人もいます。
また、いつも同じ髪型だから、違う髪型にしたいなって人もいます。
ロングヘアをイメチェンしたい
ロングって、5センチ切っても10センチ切っても気づかれないことってあるんですよね。
これ、けっこう相談されます。
で、印象を変えたいけど長さはあんまり変えたくない場合。
これはね、段を入れるしかないんですが、髪質にもよるし癖にもよるしハネるかにもよります。
「あ、切ったな」って思うような印象が変わるのって、顔周りとか首回りなんですよ。前に髪の毛を持ってくる人なら、肩甲骨の髪の長さでも印象は変わります。
で、段をどうやって入れるかにもよりますが、例えば癖があって広がってしまう場合は、後ろに段を入れるとパサッと見えることもあります。
こういう場合は前だけ段差を付けて、顔周りや首回りに動きが出るようなスタイルにすることもあります。
やっぱりこれも、カウンセリングありきです。そのうえで「じゃあそれで、お任せします」というケースが多いかな。
髪型が決まらないショートの場合
ショートカットなんだけどイメチェンしたいってありますよね。
ショートカットでも長さも色々なのですが、ロングに比べると切るところは多くない。だからこそどうやってイメチェンしてイイか悩んでしまうところだと思います。
ショートカットの場合、男性もそうですが、1センチ2センチのカットで結構印象は変わることもあります。
もしくはパーマやカラーでもかなり変わります。
ただ短くしたい
「とにかく短くしてください」と言われたら、ロングであっても私はバリカン持ち出します。
あ、ちなみにカウンセリングはしますよ。
男性でも「バリカンじゃなくてハサミで短くしてください」っていう人もいるので。
女性の場合も初めてショートカットにする人は、襟足だけバリカン使うことに驚く人もいます。
専門的な事を言うと、バリカンじゃなくて、バリカンよりも小さい形状の「トリマー」って言うんですけどね。これを持ってると驚く人もいます。
「短くしてください」ていう人の場合、本当に短くしたいだけなのか、「短く上手くカットしてください」って、奥に隠れている場合もあるので、初めての方は特に、やっぱりカウンセリングはしっかりしちゃいますね。
美容師に「おまかせ」して失敗されるケース
カウンセリングはしたけど、「完全にお任せします」で失敗したら嫌ですよね。
失敗されケースとしては、美容師の腕の違いか、自分の好みの違いか。です。
美容師の腕の違い
先ほど、小学4年生の頃の私の体験を話しましたが、それ以前に失敗されたことがあります。
違う美容室だったんですが、短くされすぎて、帰って布団の上で泣きました。
それを知っていた母親に違う美容室に連れていかれたんですよね。
まぁこれは、私が美容師になろうと思った話でもあるんですが、美容師さんによって違うのです。
初めて行くところでは「当たり」「ハズレ」みたいなことはあるわけです。
初めてのところでは、その辺は覚悟を。
自分の好みじゃない
例えば、切って見て周りの反応って気になるところだと思うんです。
周りの反応や評価は良いけど、なんだかセットしにくい、なんだか自分の好みではない。と言うこともあると思います。
これ、ありかなしかって言ったら「あり」なんですが、そうならないためにしたいことも提案です。
美容室「おまかせ」で失敗しないために
初めてでもフリーの方でも、やっぱり失敗されるのは嫌だと思います。
再度美容室へ行ってやり直さなければいけないですし、時間も労力も使ってしまいますよね。
じゃあ、そうならないためにはどうしたら良いか?です。
美容院での注文の仕方
「おまかせ」で頼んでもいのですが、自分の嫌いな事、自分のして欲しくないことを伝えてもらえるとカットしやすいです。
初めての方で「違う人に代わってください」と、あいていた私が呼び出されたことがあります。
その時はカットも決まっていたらしいのですが、いきなりすき始めた美容師に驚いて途中で「ちょ、ちょっと!」となりました。
つまり、「おまかせ」とは言うものの、細かいところが気になる場合は、事前にいて欲しい。というのは美容師の本音です。
ちなみに、細かいところを引き出さないといけないと思っているので質問が多くなってしまうこともある。というのが美容師の本音です。
自分の似合う髪型にしてくれる美容院を探す
変な話、「自分に合った髪型にしてくれる」っていうのは、美容師の腕なのか、美容師の好みなのかでもけっこう違います。
まぁ、この辺を全部やれるのが「カリスマ」って呼ばれるんだろうなぁ。って思うんですが。
思うんですが、カリスマって言ったって100%じゃないわけですよ。
初めてで慣れていないのであれば、「前回と違う人で」っていうのもありですよ。
カリスマとか、表参道とか原宿とか、そういった所じゃない所に潜んでるんですよ。腕の良い美容師って。
美容室側に嫌な感じがしないかな?って思う人もいるかもしれないですが、自分に合った人に会うまでありだと私は思います。
で、数人に担当してもらって、「あれ?もしかしたらこのお店、上手くない?」と思うケースもあるかもしれません。
この辺は慣れなんですよね。もし、自分の髪型がイマイチしっくりこないことがあるなら、たくさんの人に切ってもらいましょう。
似合う髪型を美容師に聞いてみる
「似合う髪型が分からなくてお任せしたいんですが・・・。」
ありです。じゃんじゃん聞いてください!
美容師としては、やりがいを感じる所です!!
なんですが、美容室で「似合う髪型にしてください」はありですが、先ほどから書いている通り、もしかしたらものすごく色々聞かれるかもしれません。
自分で「良い」と思ったものを信じても良いですし、周りの反応で良しあしを決めても良いと思います。
美容師としては、完全100%にすることを望みますが、実際にそうじゃないこともあります。
じっくりカウンセリングしてください!
まとめ
私としては、美容師に「おまかせ」という人って、私が小学性の頃と同じなんじゃないかな?って思う事は多いです。
カウンセリングして、「じゃぁ、おまかせします」って場合は、ほとんどお任せじゃありません。
本当に何が良いか分からない。ってことの方が多いんじゃないかなって思います。
・カウンセリングで色々聞かれない場合は失敗するかも!
・おまかせだけど「嫌、違う!」って思ったらその場で言ってください!
とはいうものの、気まずくなっちゃうとか、なかなか面と向かって言えないこともあると思います。
言いやすい美容師さん見つけるのもありだと思います。