美容室で白髪染めしたのに染まってないやんけ~~!!
家で白髪染めをして染まらないから、ちゃんと美容室で染めてもらおう。
なのに染まらない。染まりにくい。どうしても白髪が染まらない・・・なんで!?
美容院で働いていると、これ、たまにあるんです。
染まらない理由は髪質もあります。ただ、髪質だけじゃなくて他の原因もあります。
・どういった髪質の人が染まりにくいのか?
・髪質が原因じゃない場合の染まらない原因は何か?
・部分的に染まらないのはなぜなのか?
・そういった人にはどういった染め方が良いのか?
家で白髪染めをして染まらない方にも言えることなので参考にしていただければと思います。
白髪が染まらない(染まりにくい)人の特徴(髪質が原因のケース)
髪質によって白髪が染まらない(染まりにくい)方がいらっしゃいます。
白髪染めが染まりにくい方は、おしゃれ染めも染まりにくい、パーマもかかりにくい。そういった方も多いです。
髪がしっかりしている
元々の髪の毛が黒っぽく太くハリがあるような髪質の方。白髪染め、おしゃれ染めは染まりにくいです。パーマもかかりにくかったりします。
「キューティクル」って聞いたことがあると思うんですが、キューティクルとは髪の毛の表面を覆っているもので、髪の毛の水分や成分を外に逃がさないためだったり、外からの刺激から髪の毛を守る役割をしています。艶を出すのに大切な髪の構造で、キューティクルが開きっぱなしだったり損傷してくるとパサパサした髪の毛になります。
このキューティクル。髪質によってキューティクルの枚数が異なります。キューティクルの枚数が多い人はカラー剤が(パーマ剤も)浸透しにくく染まりにくい傾向です。
髪の毛が元々黒っぽくてハリがある人のキューティクルの枚数は多いと言われています。
カラー剤(ヘアダイ)は、キューティクルを開いて髪の内部に薬剤を浸透させて色を付けていくので、キューティクルの枚数が多い人は染まりにくいんです。
髪の毛が太いけど染まりやすい人はキューティクルがはがれやすく、少しの化学的成分で傷みやすかったりします。
元々の髪が明るい
元々の髪の毛が明るい人っていますよね。
髪の毛の明るさはそれぞれですし、染まりやすい染まりにくいもそれぞれで、髪の明るい人がみんな染まりにくいとは限らないんですが、まれに染まりにくい人がいます。
どのくらい元の髪の毛が明るいか、染まりにくいかっていうのは見てみないと分からないことも多いです。
例えば、欧米人の明るくて柔らかい髪の毛と日本人の黒っぽくてしっかりした髪の毛。実は欧米人の髪の毛の方が強かったりします。
【強い】というのは、髪の毛が傷みにくかったり薬剤が反応しにくかったり。
これもキューティクルの違いだったりします。
欧米人の髪の毛の色は薄いですが、キューティクルの枚数が多かったりキューティクルの厚みがあることがあり傷みにくく染まりにくいことがあります。
で、たまに日本人でもこういった髪質の人がいます。
元々の髪の毛が明るい人の髪の毛はメラニン色素が少ない。なので色は入りやすいんですが抜けやすい、そして白髪が染まりにくい人がいます。
染まらないというよりも、色がある髪の毛に比べて染まりにくく浮いてしまうことがあります。
キューティクルがガードして中までしっかり薬剤が入ってないんだと思います。
油料理を良く食べる
油物を多く食べると髪の毛がべたつく人がいます。頭皮には皮脂腺が多いので必要以上に皮脂を分泌すると言われています。
皮脂が多い人はカラー剤(その他の薬剤も)をはじくので染まりにくかったりします。
これも海外の人の話になるんですが、中国の人は髪の毛染まりにくいんですよ。他にも、インド、パキスタン、バングラデシュなど、カレーを良く食べる人民は染まりにくいと言います。
中華とかカレーって、ものすごく油を使ってるんですよね。
日本で使うカレーのルー。インドのカレーは比じゃないくらい油使ってます。
全然話変わりますが、インドに旅行してお腹壊す人多いと思うんですが、コレ、あたったとかじゃなくて油だったりします。
・・・そんなうわさ話で話はそれました。
まぁ、メラニン色素が多いって言うのもあると思うんですが、髪の毛の表面を油がコーティングして薬剤をはじいちゃう。
これは中国のお客様に直接聞いた話なんですが、「最近は食事が変わってきてるから若い子の髪質が変わってきてる」とのこと。
日本人は中国や南アジアの人のような油を使った料理が多いわけじゃないと思うのでそこまで染まりにくいってことはないんですが、皮脂が多い人は染まりにくいことはあります。
白髪が染まらない(染まりにくい)人の特徴(髪質じゃないケース)
自分の髪の毛は染まりにくいって思ってても、実は髪質じゃないこともあります。
いくつか見ていきますね。
白髪染めの明るい色を選んでいる
白髪染めでも明るさによって色が違います。「黒っぽくしたくない」「暗くしたくない」と、明るめの白髪染めを選択すると染まらないことがあります。
明るいカラー剤は色味が少ないからなんですが、これはヘアダイに限らずヘアマニキュアやヘナも同じです。
元々の黒い髪と白髪。同じカラー剤で染めても仕上がりが異なります。
良く説明に使うのは、絵を描く時に使うキャンバス。
キャンバスが白いと薄い色でもきれいに色が入ったように見えますが、例えばキャンバスが白と黒のシマシマだったとして、そこに薄い色をのせても白い部分ってまだ目立ちますよね。
白髪の量が多くて全体的に明るくしたい人は明るめのカラー剤できれいに染まるんですが、黒髪が多く白髪がまばらだったりする場合には、染まってないように感じてしまいます。
おしゃれ染めで染めている
どうしても暗くしたくなくておしゃれ染めで染める人もいます。
おしゃれ染めで染めても白髪が染まる人もいますが、白髪染めの明るい色と同様に均一に染まることは少ないです。
これは個人の感じ方だったりします。
薬剤の違い
これはヘアダイの場合。
色々な美容室で働いていたからこそなんですが、そこで使うカラー剤によって染まりやすい染まりにくいがあります。
カラー剤の違いで色味が違ったりします。染まりにくい染まりやすいというよりも、カラー剤の違いで色素の量や割合が違うんですね。
これは市販の白髪染めも同じじゃないかな~?同じブラウンでも赤味が強かったりなかったり。
大きい差はないんですが、色味の相性はありますよ。
元々の髪の毛が赤味がある人で、明るいアッシュでは白髪が染まりにくかったり、で、赤味があるときれいに染まったりします。
使っているシャンプー・トリートメントの違い
シリコンがしっかり配合されているシャンプーやトリートメントは白髪が染まりにくくなることがあります。
シリコンは良くないって言いますが、私はシリコンが悪いとは思いません。シリコンが配合されてないとパサつきが出たりしますからね。
シリコンが毛穴に詰まるとかって言いますが、アレ、ウソです。どちらかと言うと界面活性剤の違いで頭皮の状態は変わります。
で、このシリコン。シャンプーやトリートメントによってコーティング力が強いものがあります。
シリコンに限らず、皆さんが思っている以上に髪の毛についた化学成分は落ちにくいんです。
私はどのシャンプーがお勧めできるか自分で何種類も試したことがありますが、ベタベタするのはけっこうありました。
ベタベタするのはシリコンだけが原因じゃないんですが、これが全然落ちない。シャンプーを変えて2~3週間は残ってました。
最近では【シリコン除去】もあります。
重曹で落とす人もいるようですが、髪が傷みやすいかと思います。美容院で炭酸シャンプーしてもらうと良いかもしれません。
白髪染めの前に髪を洗ってない
マニキュアやヘナなどの場合、髪の毛に付着した汚れなどが染料の邪魔になることがあるので軽くシャンプーします。
基本的にヘアダイをする前はシャンプーをしないんですが、これは美容室によって違います。白髪染めの前に軽くシャンプーをするお店もあります。
ある程度トリートメントがついてても染まることが多いです。そのくらいヘアダイは強い薬剤なんですね。
先ほどありましたが、皮脂が多い人。髪がベタっとしている場合は先にシャンプーをすることがあります。油がカラー剤をはじいちゃうからですね。
これは本当にケースバイケースです。
白髪染めの前のシャンプーの何が良くないかと言うと、頭皮の皮脂を取ってしまうのでカラー剤がしみることがあるから。
反対に皮脂が多い人は、白髪染めの前にシャンプーをしてみると染まることがあります。
リンスやトリートメントはコーティングしてしまうので、家で染める場合はシャンプーだけで染めてみてください。
もしそれで染まりが変わるようであれば、お使いのリンスやトリートメントのコーティング力が強いのかもしれません。
美容室で染めるときには、私はシャンプーの後にはリンスやトリートメンはしていませんでしたが、どうしてもパサパサになってしまい櫛が通らない場合は、ph剤などを使っていました。これは美容室ならではだと思います。
白髪が部分的に染まらないケース
全体的には染まってるけど部分的に染まらない所がある。
例えばこめかみやもみあげなどの生え際。一番目立つ場所だからしっかり染めたいのに染まらない。そういった悩みの方も多いですね。
こめかみの白髪が染まらない
こめかみの白髪が染まりにくい理由はいくつかあります。
さきほど皮脂の多い人は染まりにくいとありましたが、こめかみは皮脂腺が多い場所なんですね。こめかみにニキビが出やすい人もいますよね。
つまり、他の髪の毛よりも油分もあって染まりにくい。というのが一つ。
女性の方は化粧水⇒クリームと塗ることもあると思いますが、こめかみなどの生え際について、それが原因で染まりにくくなることもあります。
私がお客様を接客してて感じるのは日焼け止めです。ファンデーションがこめかみについてて染まらないっていう事はないんですが、ウォータープルーフのようにしっかりした日焼け止めを使われていると染まりにくいのかな。と思います。
もう一つはカラー剤の塗布量です。
カラー剤は頭皮も染めてしまうので、こめかみに塗る時はどうしても他の部分より塗布量が少なくなってしまいます。
美容室で染める場合は生え際ギリギリまで塗ったり抑えたりと対策するのですが、家でご自分で染める場合は難しいのかもしれません。
顔を洗って泡がつくことも多いので、他の部分より白くなりやすいのもこめかみですね。
もみあげの白髪が染まらない
もみあげも顔に近い部分なので、自然と塗布量が少なくなってしまう部分です。
もみあげは男性の場合と女性の場合で違うのかなぁ。って思ってます。
女性の場合は先ほどもあったように日焼け止めやファンデーション、化粧クリームなどがつきやすいってのもあります。
あと、カラー剤を塗るときって上に向かって塗って放置しますよね。もみあげが真下に生えてるってことは少ないんですが、耳の方向に向かって斜め下に向かって生えてますよね。
生えてる方向と逆方向に流すということは、髪の毛が浮いてしまいます。
男性の場合、女性に比べてもみあげがしっかりしている人が多いですよね。短くてしっかりしている髪の毛はカラー剤を塗っても浮きやすいです。
この「浮く」というのはカラー剤が乗りきらないことがあり、染まりにくくなる原因です。
根元の白髪が染まらない
色は重ねると濃くなります。これはカラー剤も同じで、染まっている部分と根元の部分で染まり方が変わります。
また、根元の髪の毛は健康なので、白髪が染めりにくい人もいます。ヘアダイに限らずマニキュアやヘナの場合でも根元が染まりにくい人がいます。
これは髪質によるもので、1度のカラーでは染まりが甘くなってしまう人がいるんですね。
後でも説明していますが、こういう場合は2度塗り、もしくは2度染めをします。
毛先の白髪が染まらない
先ほどもありましたが、シリコンのコーティングで染まりずらくなることはあると思います。また、その日、流さないタイプのトリートメントやオイルがついていると毛先の染まりが甘くなることがあります。
一概には言えないんですが、髪の毛が傷んでいると毛先のカラーの退色は早いと思います。毛先だけ白髪がキラキラっと。
美容室では根元にカラー剤と毛先に塗るカラー剤を変えることもあるので、傷めたくない方は美容室で染めることをお勧めします。
ちなみに、泡タイプの白髪染めで毎月毛先まで染めると、髪の毛がえげつないほど傷みますよ(*´Д`)
白髪が染まらない(染まりにくい)人の染め方
白髪染めが染まりにくい場合、こんな染め方するよ。というのを紹介しますね。
家で染める方にも出来ることがあるので参考にしてみてください。
カラー剤の放置時間の延長
カラーの放置時間は、美容室だと20~30分ほど。20分で染まりにくい人は5分ずつチェックするようにしてました。この5分10分でかなり染まりが変わることも多いです。
長くても40分で、それ以上置いても意味がありません。
というのも、カラー剤の反応が無くなってしまうからです。
ヘアマニキュアも同様ですが、ヘアマニキュアで染まりが良くない方には加熱することがあります。
※ヘアダイ(1剤と2剤に分かれていて混ぜて使うタイプのカラー剤)は自然放置が基本です。
お家でヘナで染まる方。ヘナの場合はヘナの配合の割合にもよりますが、100%であれば基本的に3~6時間ほどの自然放置です。(物によります)
塗布量を多くする
実は染める人によって塗布料って違うんですよ。と言うのはアシスタント時代にヘルプに入って分かりました。
頭皮の毛穴を埋めるようにベッタリ塗る美容師もいれば、頭皮に負担をかけないように塗る美容師もいます。
もちろん塗布量はお客様によって変えるんですが(私の場合)、白髪が染まりにくい人は髪の毛が見えないくらいカラー剤を塗布することもあります。
自分で家で染める場合、やっぱり塗布量の違いって個人差が出てきちゃうんですね。特にこめかみやもみあげは薄くつきやすいので注意です。
ホームカラーで染まりにくい方。お家で染めるときに塗布量も気にしてみてください。
ラップをまく
ヘアダイやヘアマニキュアの放置の時、ほんの少し温めると良いんですが、ヘアダイに限っては加熱してはダメなんですね。
人間は自分が持っている熱を放出しています。これは頭皮も一緒。
で、カラー剤と言うのは冷たいので、塗ると頭皮の温度が下がりやすくなります。
で、空気を遮断することで熱がこもりやすくなるので、自分の自然の熱で染まりやすくなります。
ラップをする理由はほかにもあって、カラー剤の乾燥を防ぐことです。
コットンをつける
ラップをベタっと巻くときに注意されたことがあります。
ラップについたカラー剤が広がるので、分け目やこめかみ、もみあげなどはコットンを置くこと。と。
説明するのが難しいんですが、床に絵の具が落ちたとして、その絵の具にラップをかけると絵の具が広がりますよね。
豆腐に醤油がかかっている状態で、浅いお皿。豆腐の面とラップがくっつくとお醤油って広がるでしょ?
だからつまり、カラー剤も同じで、ピタッとラップをするとカラー剤が薄まりやすいんですよ。
美容室ではコットンやパーマの時に使う紙で押さえることもあります。
家で白髪染めをする場合、ティッシュだとカラー剤を吸ってしまうのですが、ティッシュの上からカラー塗布すると良いかもしれません。
2度塗り・2度染め
2度塗りと言うのは、1回カラー剤を塗布して時間をおいて、その後にまた同じカラー剤、もしくは違う色のカラー剤で染めること。
全体に2度塗りするか根元だけ2度塗りするかは髪の状態や染まり具合を見て判断しますが、根元の白髪が染まりにくい人などはけっこうきれいに染まることがあります。
2度染めとは、1回染めて、流して、乾かして、同じ白髪染めで染めること。
最終手段です。
なぜなら傷むから・・・。
健康でしっかりした髪質の人は染まりにくいことがあるので、2度染めの目的は傷ませる事だったりします。
この場合、毎回全体ではなく根元だけとか、2度塗りでも染まりにくい人とかです。
美容室にもよりますが、追加料金がかかることもあるのでご了承ください。
まとめ
白髪が染まらない(染まりにくい)のは、髪質が原因のこともありますが、普段から使うシャンプー、トリートメント、スタイリング剤、化粧品の違いでも染まりにくくなることがあります。
【髪質が原因のケース】
- 髪がしっかりしている
- 元々の髪が明るい
- 油料理を良く食べる
【髪質じゃないケース】
- 白髪染めの明るい色を選んでいる
- おしゃれ染めで染めている
- 薬剤の違い
- 使っているシャンプー・トリートメントの違い
- 白髪染めの前に髪を洗ってない
全部が全部というわけではないんですが、傾向として多い理由だと思います。
スタイリング剤がついていると染まりにくくなるので、美容室に行く前にはつけないことをお勧めします。