美容師のアシスタントって大変ですよね。
サロンワークの他に練習もしないといけないし、雑務もこなさないといけない。「何でこんなことやってんだよ!」って思うこともありますよね。
・・・私はありました。
で、色々と忙しくて大変だから一生懸命になっちゃう。
「頑張れ」「負けるな」と自分を鼓舞して働くこともあるでしょう。
でね、一生懸命やってるのに「頑張っても伸びない」「上司や先輩に怒られる」「アシスタントつらい」って悩んでいる美容師のアシスタントもいると思うんです。
悩む前に、その「一生懸命」ちょっと変えませんか?
という話。
一生懸命で何が悪い!?
「一生懸命」。全然悪くないです。むしろ見てて気持ちがイイ。
一生懸命が良くないのではなく、一生懸命の種類の違いで伸びるものも伸びないこともあるんです。
例えば、集中して周りが見えなくなってしまう事。
他の技術的な仕事は分かりませんが、美容室は流れもあるし他のスタッフと息を合わせるのも大事なので、周りが見えてた方が良い。
あと、考え方です。
う~ん。考える力ですかね。
私はアシスタントの頃ダメダメなアシスタントで、一生懸命だけで考える力があまりありませんでした。
今はあるのか?と聞かれても、正直「ある」とは言えませんが、アシスタントの頃よりは育ってる。(・・・と思う)(・・・いや、そう願う)
「一生懸命やってるのにどうして自分だけ!?」とか、「一生懸命やってるのに報われない」とか。
自分よりの考えではスタイリストになってからも伸びないし、今思うと技術の向上も考え方で伸びにくくなってたかもな。と思うんです。
15年以上働いてもまだまだ分からないこともありますが、15年以上働いて分かることもあります。
分かるのは、後先を考えない一生懸命だけじゃ伸び悩んじゃう!
人の動きを予想する(先読み)
美容室に入ってはじめの頃に教わったのが「鏡だし」です。
スタイリストが切り終わってから見せる鏡を、アシスタントが用意して手渡しで出してました。
終わるころを見計らうんです。
「人の動きを予想する」というのは、つまり「先読み」です。
鏡だしの他に細かいことを言ってしまうと、「カットの次はパーマだからこのくらいの大きさのロットを用意しておこう」とか、ブローのブラシを用意をしておこうとか。
スタイリストのことを観察していると、スタイリストの癖も分かり動きやすくなりますし、「次はどう切るんだろう?」という勉強にもなります。
「技術は見て盗め」みたいに言われることもありますが、最初は何が何だか分かりませんでした。
「見てもわかんないし!」ってなってました。
「あの人のカット、自分が習ったカットと違うな。どう切るんだ?」などという観察力は、先よみ力にもつながると思うんですよね。
「先を読む」ということに慣れておくとスタイリストになった時にお客さんに対応しやすくなりますよ。
アシスタント同士で同じことをしない(効率の良さ)
アシスタント同士じゃなくても良いんですが、人と同じことをするのではなく人と違う事を見つけて仕事をした方が効率がイイですよね。
私は「いかに効率よく動くか」という事をいつも考えていたので余計にそう思ってしまいます。
でも、仕事では大切な事だと思います。
アシスタントの仕事も色々ですが、「あの子がアレをやるから私はコレをしよう」という考え方。
一生懸命になりすぎると周りが見えなくなることもあるので、他の人が何をやるかが見えなくなってしまうこともあります。
言われたことだけをやるのではなく、ここもやはり自分で考える力があった方が良い。
「先を読む力」と一緒で、「どうやったら効率が良くなるか」って言うのは慣れるまでは分からないことも多いと思います。
最初はアシスタント同士で話し合うのも良いですね。
でも、阿吽の呼吸で動けると効率がイイ。
シミュレーションというのは何事においても大事で、慣れないうちは頭の中でシミュレーションすると動きやすくなると思います。
失敗したら、「次はどう動くか」と考えることも大切です。
自分が考えが全て正しいと思わない(思考)
人間の思考って偏りやすいんですよ。
で、一度そう思い込んでしまうと中々その考えから抜け出せない。
私はそうだったんですが、一生懸命になってしまうアシスタントは「こんなに頑張ってるのに」「なんであいつばっかりなんだよ」などと悩んでしまいます。
先ほども言いましたが、自分よりの考えになってしまうと伸びるものも伸びません。
思考が自分よりに偏り過ぎてしまうと、相手の気持ちを読めなくなりますし相手の気持ちを受け入れることも出きなくなります。
アシスタントの時はよく仕事帰りに同期で飲みに行って、先輩や上司の文句言ってたわけですよ。
「○○なのに」「分かってない」などと。
いや、もちろん分かってなかったのは私の方ですが、否定や反論は余計に自分のことしか考えられなくなるんですよ。
文句言ってるけど「自分が正しい」なんて思ってない人もいると思います。
マザーテレサは言っています。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
と。
人の考えなんて十人十色なわけで、これは周りにいるスタッフだけでなくお客さんにも言えることですよね。
考え方が偏ってしまうとカットやパーマと言った内容の仕事も偏りやすいと思うんですよ。
「好み」と言ってしまうとそれまでなんですが、やっぱり色々できて得意なことが増えた方が仕事の幅は広がるわけです。
怒られたり注意されたときに、立ち止まって「自分が本当に正しいのか?」と考えることも大事です。
気を使う(気遣う)
気を使うのって疲れますよね。
先を読んだり人のことをたくさん見ていると気疲れしてしまいます。
「気を使う」というのと、「気遣い」って言うのは似ているようで違うんだって。
「気を使う」というのは、「自分をよく見せたい」「言い合いにならないように」という気持ちなど、何かしらの見返りを求めてする行動。
「気遣い」というのは、見返りなどは考えず相手のことだけを考えてする行動。
気を使うから疲れちゃう。多分私はこっちで働いてることが多いと思います。
一生懸命のアシスタントって、気を使う人も多いと思うんですよ。
というか、一生懸命が過ぎて「そこ気を使うところじゃないから!」って思うこともありました。
変に気を使っちゃう。
だから疲れちゃうし「こんなに頑張っているのに」と思いやすい。・・・というのは私の話。
相手のことを思ったり相手のことを考えての行動も、考え方で変わるんじゃないかって思うんです。
会話をするだけが気遣いじゃないし、いい顔するだけが気遣いじゃない。
でも、慣れてないとけっこう難しいと思います。
力を抜きつつ広い範囲でモノを見るというのも大切かと。
不器用でも愛されキャラ(人柄)
不器用と言うのは技術的にもそうなんですが、やることなすことから回っちゃう人っていますよね。
不器用な人ほど「あぁ(*´Д`)やってしまった」と反省しやすいし、「自分なんて」と思いやすい。
やる気がありすぎてから回っちゃう。一生懸命すぎて周りが見えなくなっちゃう。
不器用だからこそ、先を読めなかったり効率が悪いって言うのもあると思います。
なのに、みんなに愛されるキャラの人っていますよね。
わざと変にキャラ作ってると違和感を感じますが、他の人とどう違うんだろう?って考えると「素直さ」なんじゃないかと思うんです。
不器用だけど、素直だから伸びやすい。
でも、素直だから色々言われて色々取り入れて不器用になっちゃう。
「素直」というとどうしても柔らかい感じに聞こえてしまいますが、「率直」とか「正直」という感じの人も愛されるんじゃないかなって思います。
嘘がない。っていう人。
最初はきつく見えても、「あの人いつも嘘がないから信用できる」。というのは愛されキャラよ。
「人柄」というと、育ってきた環境や今まで付き合ってきた人たちの影響もあるともいます。
明日から「素直になれ」と言われても難しい。
全員が全員、愛されキャラがイイよ。と言うわけじゃなくて、嘘がつけない不器用な人はそういうところを伸ばすと良いんじゃないかなって思うんです。
変な言い方ですが、計算できる人って先を読む力があったり、どうやって効率が良くなるかというのを考えられる。
計算できる人はそういうところを伸ばせばいいし、不器用な人は自分のキャラを伸ばせばいい。
というか、大切にした方が良いと思うんです。
まとめ
先を読む力、効率の良さ、思考、気遣い、人柄。
これ、美容師のアシスタントに限ったことではありませんよね。
スタイリストにも同じことが言えるし、転職して他の仕事についても同じことが言えます。
だからこそ。アシスタントの時に考える力を身につけた方が良いと思うんです。
一生懸命も良いんですが、技術にしても指名を付けるにしても、自分はどうやったら伸びるか。
私が考える力が乏しかったから、美容師のアシスタントで悩んでいる人がいたら余計に伝えたい!